持続可能な資源利用を推進する慈善団体の英WRAP(The Waste and Resources Action Programme)はこのほど、キア・スターマー首相と国民にリサイクル推進の協力を求めるイベントRecycle Weekをロンドン中心部のダウニング街で開催した。
英国の家庭からリサイクル可能なボトルやスプレーなど容器包装が毎年10億点以上も廃棄され、焼却や埋め立て処分されていることに着目し、TVプレゼンターでRecycle Week アンバサダーのJJ Chalmers 氏、WRAP CEOのHarriet Lamb 氏とキャラクターたちが、国民に容器包装をごみ箱から拾い出して、リサイクルするよう呼びかけた。また、期間中にはイングランドと北アイルランドの地方自治体は、ロードショーやコンペティションを開催したほか、ソーシャルメディア活動など一般市民が参加する機会を設けた。
英国のリサイクル率は低下しており、2022年、英国の家庭ごみは2569万トンで、リサイクル率は44.1%にとどまった。英Recycle Nowの調査によると、約80%の回答者がリサイクル可能な製品を1つ以上廃棄していた。小さな行動が大きな影響を与える可能性がある。リサイクルは、英国が廃棄物ゼロの循環型経済に移行するための鍵となる。リサイクルは、既存の材料を循環させ、化石燃料や金属などのバージン資源を採取する必要性を減らすことで、消費者が購入する製品が環境に与える影響を制限する。
英国の統計によると、焼却や埋め立て処分されるリサイクル可能な品目は以下のとおり。
- 8450万本の清掃用洗剤ボトル
- 1億2600万本のスプレー
- 7億4300万個のヨーグルト容器
- 5900万本のアフターシェーブ・ケア用品や香水の容器
- トイレットペーパーの芯(数量不明)
【参照記事】Households waste over one billion items every year that could be recycled
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