繊維商社の豊島株式会社(以下、豊島)はこのほど、3D技術を使用したソリューション提供の株式会社Pocket RD(以下、Pocket RD)と協業すると発表した。

アパレルの生産工程効率化を目的とする3DCGデザイン「VIRTUAL CLOTHING™(バーチャルクロージング、豊島が展開)」とPocket RDは、共同研究「GET BOTHプロジェクト」を開始する。同研究の内容は以下である。

  • バーチャル空間において、「AVATARIUM(Pocket RDが提供)※」が生成したアバターが着用する洋服データをVIRTUAL CLOTHING™で製作
  • 洋服データのバーチャルファッションへの活用と実際の購入につなげていくサービス

両社は同研究により、アバターに着せる服と、実際の服の同時購入をインターネット上に構築される仮想三次元空間やゲーム内で楽しめる、新しいファッションの価値を利用者に提供していく構えだ。製作したデータをバーチャル試着にも同時活用することで、ファッション業界のDX推進への貢献も目指す。

同研究によるサービス提供開始は、2021年秋を予定している。両社は、アパレルメーカー・キャラクターグッズなどを手掛ける企業・キャンペーンを企画する代理店・販促会社と連携し、デジタルツインの時代における新事業開拓を目指す意向だ。

ネットショッピングが増えるなか、環境にも負荷を与える返品作業などを削減し生産工程効率を向上させるべく、デジタル試着システムの開発が進んでいる。小売世界大手の米ウォルマートも、ユーザーが全身写真を撮るだけでデジタル試着できるサービスの導入を予定している。

VIRTUAL CLOTHING™

VIRTUAL CLOTHINGでは、パターンデータを読み込んで3Dモデリングし、データを蓄積して実績を増やすことで作業を大幅短縮し、アパレルの生産工程の効率向上に取り組んでいる。企画・見本確認・試着をバーチャルで実施し、早い段階から店頭・EC販売を検討できる。生産面では、仕上がり精度を高めることで見本価格や配送代などを削減し、サステナビリティを実現する。

(出典:豊島株式会社)

※ AVATARIUM:全身撮影したデータから完全自動でオリジナルアバターを作成でき、アプリから簡単にカスタマイズできる、商標出願中のアバタープラットフォーム。専門知識が必要だったオリジナルアバターをワンストップで簡単に作成できる。

【プレスリリース】豊島とPocket RDが協業 バーチャル上でのフィッティングと購入を可能にする3D技術を活用したサービスの研究「GET BOTHプロジェクト」をスタート ~ 3DCGでアパレル生産工程を効率化する豊島の「VIRTUAL CLOTHING ™」を活用~
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*冒頭の画像は、協業により実現するサービスの予想図。(出典:豊島株式会社)