日揮ホールディングスは6月9日、神戸市ポートアイランドに建設したバイオものづくり研究棟の開所式を実施した。同研究棟は、世界初となるガス循環発酵の基盤設備を導入した研究施設で、二酸化炭素(CO2)を原料とするバイオものづくり技術の開発拠点となる。微生物の力を活用してCO2から有用物質を生産する技術の研究開発を進める。

同研究棟は、日揮HDが整備を進める「バイオプロセス研究所(JBX)」の第1棟として建設された。研究では、CO2を原料に微生物の一種である水素酸化細菌を活用し、化学品や素材などの有用物質を生産する技術の開発を進める。

バイオものづくりは、微生物の力を利用して化学品や素材などを生産する技術で、化石資源への依存低減が期待されている。今回の研究では、CO2を原料として活用することで、従来は排出されるだけだった炭素を資源として循環利用することを目指す。将来的には石油由来原料の使用削減や脱炭素につながる可能性があり、OECDは同分野の世界市場規模が2030年に約200兆円に達すると試算している。

今回の研究開発では、ガス発酵プロセスに必要となる可燃性ガスの安全な取り扱いが重要となる。日揮HDは、エネルギー・化学プラント分野で培ったガスハンドリング技術を活用し、研究開発からスケールアップ、事業化までを一体的に推進する方針だ。

JBXでは、日揮HD、バッカス・バイオイノベーション、カネカ、島津製作所の4社が共同提案した「CO2からの微生物による直接ポリマー合成技術開発」プロジェクトの研究開発を進める。同プロジェクトは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する「グリーンイノベーション基金事業/バイオものづくり技術によるCO2を直接原料としたカーボンリサイクルの推進」に採択されている。

開所式には約60人の関係者が出席し、経済産業省やNEDO、神戸市の関係者らが祝辞を述べた。

日揮HDは、バイオものづくり事業を中期経営計画「Building a Sustainable Planetary Infrastructure 2030」における重点事業の一つに位置付けている。今後は同敷地内で第2棟の建設計画を進め、2027年末の竣工を目指す。

CO2を資源として活用するカーボンリサイクル技術の社会実装に向けた取り組みとして、今後の事業化の進展が注目される。

※冒頭の画像はプレスリリースより引用
【プレスリリース】ガス循環発酵によるバイオものづくり研究棟の開所式を実施
【プレスリリース】「CO2からの微生物による直接ポリマー合成技術開発」がNEDOグリーンイノベーション基金事業に採択
【参照サイト】バイオものづくり技術によるCO2を直接原料としたカーボンリサイクルの推進
【参照記事】グリーンイノベーション基金事業、「バイオものづくり技術によるCO2を直接原料としたカーボンリサイクルの推進」に着手
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