医療は人の命を救うのと同時に、環境を汚染している。オランダ・ロッテルダムにある欧州最大規模の医療施設、エラスムス医療センターでは、1日の集中医療を提供するのに、車で2000キロ走行し、200平米の森林伐採をし、15,000リットルの水を汚染するのと同じだけの環境負荷を生み出しているという。この現状を変え、1グラムのごみも出さない循環型集中治療室をつくろうという取り組みに今注目が集まっている。
元々衛生に配慮する目的で使い捨てプラスチックなどが多用され、廃棄の多かった医療現場だが、特に新型コロナ感染防止のためこれが急増。その凄まじいごみの量にショックを受けた担当者が、なんとかするために行動を取らなければならないと周りに働きかけた。今では医療センター集中医療室部門で一丸となり、2030年までに完全循環型の集中医療室を達成することを目標に、最高峰の医療を提供しながらも、すべての資源や機材を再利用する仕組み完成を目指す。

この記事は、Circular Economy Hub 会員専用記事となります。
会員種別と特典

西崎 こずえ
西崎 こずえ(にしざき こずえ)。オーストラリア・キャンベラ大学卒。アムステルダムを拠点とするサステナビリティ特化型コンサルティング企業「Horizon Green(https://www.horizongreen.eco/)」ファウンダー。サーキュラーエコノミー、再生可能エネルギー・水素、クリーンテック分野において、主に欧州と日本の企業・政府機関を支援。事業性とサステナビリティの統合に強みを持ち、ビジネスモデル構築、R&D支援、商談調整、プロジェクトマネジメント、投資家・技術パートナーとの連携、研修プログラムの提供など多岐にわたるサービスを展開。サステナビリティに情熱を注ぐ人のための秘密基地「エコハブ・アムステルダム」発起人。