環境省はこのほど、「デジタル技術を活用した脱炭素型資源循環ビジネスの効果実証事業」の公募を開始した。
環境省は、第四次循環型社会形成推進基本計画に基づき、循環経済への移行を通じた脱炭素社会の実現のため、デジタル技術を活用した資源循環ビジネスモデル(サービサイジング、シェアリング、リユース、再製造、製品の長寿命化、保全・修理など)の構築を促進している。今回の公募はその取り組みの一環として、資源循環ビジネスモデルの脱炭素と資源循環などの効果について実証することを目的としている。公募期間は7月7日から8月31日12時(必着)までで、募集事業者数は7者程度。
参加事業者は、自社が展開している/展開しようとしている資源循環ビジネスモデルについて、当該ビジネスモデルによる脱炭素と資源循環の効果を推計するために必要な情報・データを環境省と事務局に提供する。これらの情報をもとに、事務局が資源循環ビジネスモデルによる効果を推計し、内容公表のための資料を作成する予定だ。同実証の対象となる資源循環ビジネスモデル例は、以下のとおり。
- LiB(リチウムイオン電池)などの電池の二次利用によるいろいろな業種へのカスケード利用の促進
- 他店舗・他業種との連携による設備・機器のリファービッシュ
- IoT活用による遠隔監視、オンラインでの保守・維持
- AI活用によるリペア(修理・補修)、保守・修理作業の効率化、更新時期の最適化
- AI活用による故障予知・早期発見による製品の長寿命化
- 部品の修理・再利用を実施するリビルド事業へのIoT活用
応募できる事業者は、次である。
- 日本に本社または主たる事務所を置いている民間法人
- 1の法人の子会社で、海外に本社または主たる事務所を置いている民間法人
- 一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人、公益財団法人
- その他環境省が適当と認める者
加えて、応募に際して破産・再生手続開始・会社整理開始または会社更生手続開始の申立てをしていないことも条件に掲げている。
選定基準は、実証対象となる資源循環ビジネスの妥当性・実証対象となる資源循環ビジネスの展開可能性・デジタル技術の位置づけ・データなどの提供可能性である。実証費用は、最大500万円(税別)を目途に実費で支払われる。
【プレスリリース】令和4年度「デジタル技術を活用した脱炭素と循環経済を同時に達成する資源循環システムの実証事業」の公募を開始します
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クリューガー量子
クリューガー量子(くりゅーがー りょうこ)ドイツ在住、ハイデルベルク市公認ガイド。土木工学を学び日本で土木技術者として働いた後、メキシコでスペイン語を習得、日西通訳として自動車関連企業で働く。2003年に渡独。専門分野:ドイツのサーキュラーエコノミー関連政策・企業動向、企業現地視察サポート、建設業界のサーキュラーエコノミー移行。個人ブログ:http://ameblo.jp/germanylife10/ 。(この人が書いた記事の一覧)