株式会社オークネットは12月2日、使用済みEVバッテリーを活用したリパーパス製品流通プラットフォーム「Energy Loop Terminal(エナジー・ループ・ターミナル)」の予約受注を開始したと発表した。本プロジェクトは、MIRAI-LABO株式会社との業務提携により実現。循環型BtoBマーケットの創出を目指している。
欧米を中心に注目されているリパーパス手法は、廃棄予定の不要品に新たな目的と価値を与えて再利用するものである。なかでもEVバッテリーのリパーパスには、性能を評価する劣化診断技術や、グレーディング技量と用途マッチングが重要だ。しかし、診断にかかる時間やコスト、中~低グレードの用途確立の難しさによる価値算出の課題、品質保証の難しさなどの課題が存在している。
この状況を受け、オークネットは循環型流通事業の知見を活かし、中古車オークショニアとしての経験からEVバッテリーの残性能に着目。自律型街路灯や蓄電池への転用をサポートする必要性を感じ、EVバッテリーのリパーパス製品の買い手と売り手をつなぐプラットフォーム構想に着手した。
その最初の試みとして、MIRAI-LABOと協働し、短時間かつ高精度の劣化診断技術を確立。独自のインピーダンス測定法を用い、モジュールごとに診断・評価基準を設定することで、従来課題とされていた「品質保証」を付帯する付加価値を提供し、安全性に配慮した製品流通に取り組んでいる。
「Energy Loop Terminal」は、使用済みEVバッテリーの診断結果や買い手企業のニーズに応じたリパーパス製品の流通を目的としており、以下のサービスを提供する。
- 高精度な性能・劣化診断の受託
- BMS(Battery Management System)を付与したバッテリーの売買仲介
- リパーパス製品の売買仲介と品質保証の付帯
オークネットは1985年設立の循環型マーケットデザインカンパニーであり、中古車や中古医療機器など多様な商材のオンラインオークション事業を展開。MIRAI-LABOは、2006年設立の自律型エネルギーシステムの研究開発を手掛ける環境プラットフォーマーである。
【プレスリリース】オークネット 使用済みEVバッテリーを活用したリパーパス製品流通プラットフォーム「Energy Loop Terminal(エナジー・ループ・ターミナル)」の予約受注を開始
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(※画像の出典:株式会社オークネット)