情報流通支援サービスの株式会社オークネットはこのほど、同社独自の経営指標「Gross Circulation Value/総循環型流通価値(以下、GCV)」の経済学的観点における妥当性などに関する報告書を公開した。

報告書は、東京大学エコノミックコンサルティング株式会社が作成し、環境データの信頼性については独立機関による第三者保証を取得している。

GCVは、オークネットのサステナビリティ方針を具体的な行動につなげるために同社が独自に定めた経営指標だ。報告書は、オークネットの事業活動が環境に与えた影響を貨幣価値化した。同社が取り扱う商材は、中古車・中古バイク・中古スマートフォン・中古パソコン・ブランド品・花き・中古医療機器で、リユース品の流通やオンライン流通を展開している。2022年の同社のGCV環境価値は約385億円で、経済循環価値の約5031億円と合わせて合計約5417億円となった。

報告書は、GCVのうち、特に環境に与えた影響の貨幣価値の算出手法(※)を3つの経済学的観点から解説した。3つの観点は、「環境に与えた純効果の算出方法の妥当性」「純効果を構成する排出削減効果(環境面での機会)の算出方法の妥当性」「環境価値の貨幣換算方法の妥当性」である。検討の結果、GCVの基本的な考え方は環境経済学におけるグリーン会計の考え方と整合性が高いものの、環境面での機会の算出の精度には一定の限界と改善の余地がある点に留意が必要であることがわかった。加えて、環境価値を将来的にカーボンクレジット化できる可能性があることも示された。

同報告書公開にいたった背景は、サーキュラーエコノミー施策が温室効果ガス(GHG)削減に及ぼす影響を把握する手法を構築したいとオークネットが考えたことだ。近年、サーキュラーエコノミーは官民で推進されているとともに、気候変動対策との相乗効果も期待されている。しかし、サーキュラーエコノミー施策がGHG削減に及ぼす影響を把握する手法は、統一されておらず算定ルールも存在しないことに加え、カーボンニュートラルへの貢献に関する社会的認知も限定的であるとしている。そのため、オークネットはGCVの策定と報告書の公開により、算定方法確立・カーボンニュートラル達成・サーキュラーエコノミー移行に貢献したいと考えた。

オークネットは、GCVを2025年に1兆円にするという目標を掲げている。今後も、専門家・メーカー・一次流通企業・公的機関など多様なパートナーと協力し、リユースだけでなくさまざまな環境価値を創出・可視化し、経済的価値につながる仕組みと事業の実現に取り組んでいきたい考えだ。

日本のリユース市場は成長が期待されている。2022年にリユース市場は3兆円規模に、2025年には3兆5000億円規模になるとリサイクル通信は予測しており、国もリユース市場に注目している。今回のリユース環境価値算定方法に関する報告書により環境価値が明らかにされたことをきっかけに、リユース分野における環境価値および経済的価値の大きい取り組みが活発に展開されていくことが期待される。

※ 環境に与えた影響の貨幣価値の算出方法:環境への純効果に内部炭素価格を乗じて算出され、環境への純効果は、オークネットが主にBtoBの領域で手掛けるリユース流通事業による潜在的なGHG排出削減量(新規生産の抑制・廃棄物の減少)とオンライン市場による潜在的なGHG排出削減量(輸送距離の短縮・人の移動減少)から、オークネットの事業活動によるGHGの実排出を差し引いて計算された

【プレスリリース】オークネットGCVのリユース環境価値算定方法に関する報告書を公開~2022年の環境価値は約385億円。経済学の観点から妥当性を評価~
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*冒頭の画像の出典:株式会社オークネット