埼玉県は6月15日、資源の効率的・循環的な利用に取り組む県内企業を支援することを目指し、ワンストップの支援拠点「サーキュラーエコノミー推進センター埼玉」を開所する。

公益財団法人埼玉県産業振興公社が運営し、サーキュラーエコノミーに関する情報発信・普及啓発、コーディネーターによる相談・マッチング支援などの業務を展開する。場所は、新都心ビジネス交流プラザ3階(さいたま市中央区上落合2-3-2 JR埼京線北与野駅前)。

加えて、埼玉県産業技術総合センター北部研究所(埼玉県熊谷市)は、「食の再資源化トライアル拠点」として、食のサーキュラーエコノミーに取り組む企業の支援を開始する。「サーキュラーエコノミー推進センター埼玉」と連携し、 食品加工の際に発生する廃棄物などを活用して再資源化から新商品開発などに取り組む企業を支援していく計画だ。

埼玉県の大野元裕知事は6月12日に開催した定例記者会見で、現在サーキュラーエコノミー移行に向けて欧州をはじめ、日本でも取リ組みが加速していることに言及。こうした経済構造の変革に県内企業が対応し、事業活動の持続可能性を高め、中長期的な競争力を確保していくことは極めて重要だと述べた。

世界および日本のサーキュラーエコノミー移行に向けた動きは、活発化している。2015年、EUは「サーキュラーエコノミーパッケージ」を打ち出し、サーキュラーエコノミーを産業政策として位置付けた。欧州委員会は2020年3月、サーキュラーエコノミー移行を目的とした新サーキュラーエコノミー行動計画を発表した。日本では、経済産業省が2020年5月に循環経済ビジョン2020を策定し、同ビジョンを具体化するべく2023年3月に「成長志向型の資源自律経済戦略」を策定。廃棄物問題や気候変動問題などの環境制約に加え、世界的な資源需要と地政学的なリスクの高まりといった資源制約の観点から、世界においてサーキュラーエコノミー移行が喫緊の課題となっていると経済産業省はみている。加えて、サーキュラーエコノミー関連市場は、国内外で今後大幅な拡大が見込まれている。

サーキュラーエコノミー移行に向けて、埼玉県はこれまでもさまざまな取り組みを進めてきた。取り組み例は以下である。

6月15日、埼玉県は開所式を開催する。大野元裕知事は、開所式や「サーキュラーエコノミー推進センター埼玉」で開催されるセミナーおよび研究会をとおして、県民・事業者の認知度と理解を深め、一丸となってサーキュラーエコノミー移行を推進していきたいと語った。開所式の概要は、以下のとおり。

  • 日時:2023年6月15日10:30~12:00
  • 会場:新都心ビジネス交流プラザ 4階会議室
  • 内容
    ①大野知事挨拶
    ②サーキュラーエコノミー推進センター埼玉の紹介
    ③除幕
    ④特別講演
    堅達京子氏(NHKエンタープライズ エグゼクティブ・プロデューサー)
    「サーキュラーエコノミーへの挑戦 埼玉を世界のトップランナーに!」
    ⑤取り組み事例の発表 ※発表順
    ・浦和レッドダイヤモンズ株式会社
    「浦和レッズSDGs サーキュラーエコノミーへの挑戦!」
    ・丸紅株式会社
    「“生まれ変わり”のアップサイクルを生み出す循環型食器への取り組み」
    ⑥名刺交換
  • 対象・人数:サーキュラーエコノミーに関心のある県内企業など約150名
  • 申込方法:埼玉県産業振興公社のホームページより

【プレスリリース】サーキュラーエコノミー推進センター埼玉を開設します
【参照サイト】知事記者会見 令和5年6月12日
【プレスリリース】「食の再資源化トライアル拠点」として企業への支援をスタートします!
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*冒頭の画像は、埼玉県章