埼玉県は、サーキュラーエコノミー型のビジネスの創出に係る経費を助成する補助金を令和5年度に新設し、4月20日に募集を開始した。

資源の循環利用と県内産業の成長を促進するべく、埼玉県はサーキュラーエコノミーを推進している。補助金の概要は、以下のとおり。

  • 名称:サーキュラーエコノミー型ビジネス創出事業費補助金
  • 対象事業:次のすべての要件を満たす事業。県内のサーキュラーエコノミー型ビジネスの創出に係る事業で、県内中小企業などが連携して新規に取り組む先進的事業。代表事業者のほか、県内に事業所を有する中小企業・大学・研究機関が主な補助事業者となる事業。補助事業の完了後3年以内に県内での事業化を目指す事業。知事が必要と認める要件を満たす事業
  • 対象者:中小企業、大学、研究機関。申請者に県内中小企業を1者以上含むこと
  • 補助金額:上限750万円
  • 補助率:3分の2以内
  • 採択件数:6件程度
  • 募集期間:2023年4月20日~6月2日
  • 申請方法:必要書類をE-mailにより資源循環推進課あてにデータで提出

今回、埼玉県が補助金を新設した背景は、サーキュラーエコノミー移行に向けて世界的に取リ組みが加速していることがあると見られる。EUは2015年に「サーキュラーエコノミーパッケージ」を打ち出し、サーキュラーエコノミーを産業政策として位置付けている。日本でも、2020年5月に経済産業省が「循環経済ビジョン2020」を公表。同ビジョンを具体化するべく、2023年3月に「成長志向型の資源自律経済戦略」を策定し、日本が今後サーキュラーエコノミー移行に向けて取り組むべき方向性を示した。同戦略のなかで、サーキュラーエコノミーパートナーシップ(産官学連携)が、日本におけるサーキュラーエコノミーの市場化を加速し、国際競争力を獲得するためのギアの一つとして示された。

埼玉県が補助金交付先として採択する事業が事業化を実現し、サーキュラーエコノミー移行加速に貢献していくことが期待される。

【プレスリリース】サーキュラーエコノミー型ビジネス創出事業費補助金
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