JFEスチール株式会社は1月9日、同社が東日本製鉄所京浜地区(神奈川県川崎市)構内に新設する使用済みプラスチック(廃プラ)処理設備の運営について、株式会社Jサーキュラーシステムとの協力体制を決定したと発表した。

新たな廃プラ処理設備は、年間6万トンの処理能力を持ち、CO2削減効果は年間 16万トン(2030年度での効果)と試算されている。産業廃棄物由来の廃プラを処理可能な設備としては国内最大級の規模となる見込み。JFEグループ全体の投資規模は67.5億円で、2024年10月の稼働開始を予定している。

Jサーキュラーシステム社は、川崎市での廃プラリサイクル事業を行うことを目的に、2023年7月に設立された。プラスチックをはじめ多様な廃棄物リサイクルに携わるJFEグループのJ&T環境株式会社、鉄道事業のほか商業施設、ホテル事業を展開する東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)、JR東日本グループで資源循環事業を担う株式会社JR東日本環境アクセスが共同出資した。資本金は9千万円。

製鉄プロセスにおける廃プラの利用は、主に高炉・コークス炉で原料炭などの原材料の代替品としての活用が挙げられる。しかしその一方で、母材となる廃プラの集荷が課題でもあった。新しい廃プラ処理設備の運営にあたり、Jサーキュラーシステム社が廃プラの集荷および処理設備の運転を行うことで、容器包装プラスチックだけでなく、産業廃棄物由来の廃プラも利用可能な体制作りを進めていく。

プラスチック資源循環体制の事業スキーム

JFEグループは、「JFEグループ環境経営ビジョン2050」を策定。気候変動問題に対する取り組みとして、自社のCO2直接排出量削減とサプライチェーン全体におけるCO2削減に取り組む。

またJサーキュラーシステム社は、川崎市や近隣自治体と「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律第33条に基づいた再商品化計画」を作成し、プラスチックリサイクル一貫事業として国の認定取得と、安定的な母材確保を図っていく予定。

【プレスリリース】廃プラスチック利用拡大に向けたプラスチック資源循環体制の決定について
【参考記事】廃プラスチック利用拡大に向けた国内最大級の処理設備の導入について
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※画像の出展:JFEスチール株式会社