東京都と公益財団法人東京都環境公社は9月10日、地域密着型のサーキュラーエコノミーの実現に向けた社会実装化事業の公募の結果、6件を選定したと発表した。本公募は、2025年CO2排出実質ゼロを目指し、東京都が推進する「ゼロエミッション東京」の取り組みの一環。公募は2024年5月30日から7月31日までの期間に行われ、提案の熟度、有効性・効率性の観点から選定された。

選定事業(括弧内は事業者名)

  • 脱炭素、脱焼却を目指す脱プラ(プラの削減と素材転換)に関する資源循環の実証事業(株式会社トベ商事)
  • 寝具由来ポリエステルわたの再生素材化研究開発事業(株式会社yuni)
  • エコファニ・ストリート(三菱地所株式会社)
  • マイボトル洗浄機を活用したマイボトル普及に向けた実証実験、Building 2 Bottle -赤坂インターシティ AIR1棟まるごとマイボトル化 PJ-(日鉄興和不動産株式会社)
  • PPバンドの水平リサイクル社会実現のための回収網拡大(株式会社ウッドプラスチックテクノロジー)
  • キャラベジプロジェクト ~世界とつながる新しい農業支援のかたち~(特定非営利活動法人TABLE FOR TWO International)

例えば、株式会社トベ商事のプロジェクトでは、都内ホテルの客室で水飲料のペットボトルの代わりに、再資源化可能なブリックパックを導入する。素材転換に関連するコストの試算や再生原料の用途検討を行い、環境負荷の低減効果を検証する予定だ。また、株式会社yuniは、寝具やクッションで使用されるポリエステルわたの再生技術開発に取り組み、廃棄物の削減と資源の循環利用を目指す。

その他、エコファニ・ストリートプロジェクトでは、不要になったプラスチック製什器のリユース品展示と販売を商業施設の空き区画で行う。また、赤坂インターシティ AIRで行われるBuilding 2 Bottleプロジェクトでは、オフィスビル全体でマイボトル利用を促進し、洗浄機や給茶機を設置することで、プラスチック廃棄物の削減を図る。

東京都は、地域密着型の循環型経済の実現に取り組む企業や団体を支援することで、サーキュラーエコノミーの実現に向けた動きをさらに加速させる方針だ。

【プレスリリース】サーキュラーエコノミーの実現に向けた社会実装化事業の選定結果について
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