artienceグループの東洋インキ株式会社は1月25日、株式会社マルアイと共同で、プラスチック基材から導電インキを脱墨させ、新たな原料として再利用できる「リサイクル可能な導電性シート」を開発したと発表した。従来廃棄物として処理されていた、使用後のプラスチック基材が、プラスチック原料として再利用できるようになる。印刷した導電インキを脱墨できる導電シートの開発は業界初だという。

導電性シートは、プラスチック基材に導電・帯電防止インキをコーティングしたもの。主に電化製品や自動車に使われる電子部品を静電気から保護する搬送用の導電トレイや、キャリアテープに使用されている。しかし、プラスチックに施された印刷は、基材からの分離(脱墨)が難しく、リサイクル促進を阻害する要因のひとつとなっている。

2社が共同開発したリサイクル可能な導電性シートは、マルアイ製導電性シート「スーパークリーンシート」に東洋インキの「脱墨技術」を導入している。導電性シートの基材であるプラスチックと導電インキの間に、アルカリ処理で溶解する脱墨層を設けた。この導電性シートをアルカリ溶液中で熱処理などを行うことで脱墨層が溶解し、プラスチック基材から導電インキが脱墨されるのだ。

リサイクル可能な導電性シートの構成

使用後のプラスチック基材をプラスチック原料として再利用できるようになる。また、導電インキはアルカリ溶液に溶解せず膜の状態で脱墨できるため、膜を回収することでアルカリ溶液も繰り返し使用できる。

2社は今後、使用済みプラスチックの回収から再生までのスキームを具体化させていく予定だ。同導電性シートの提供から、使用済みプラスチックの回収・破砕・導電インキの脱墨といったプロセスを構築することで、プラスチックの資源循環を目指す。

【プレスリリース】導電インキを脱墨することでプラスチック基材をリサイクルできる導電性シートを共同開発
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※画像の出典:東洋インキ株式会社