環境省は9月27日、「持続可能な窒素管理に関する行動計画」の策定について発表した。この行動計画は、国連環境総会(UNEA)の決議を受け、関係省庁の連絡会議および専門家による議論を経て策定された。本計画は、持続可能な窒素管理を推進し、社会や地域への貢献を目指すものであり、アジア諸国の窒素管理にも寄与することを目指している。また、2024年5月24日から6月22日までの意見募集結果も発表された。

窒素は、食料生産や工業生産に不可欠な物質である一方で、大気汚染や水域の富栄養化、地下水汚染といった環境問題を引き起こす要因にもなっている。特に、日本は主な化学肥料の原料をほぼ輸入に頼っており、肥料の安定供給と経済・食料安全保障の観点からも、持続可能な窒素管理は重要な課題である。

2022年のUNEAによる持続可能な窒素管理に関する決議では、過剰な窒素とリンが水、土壌、大気質、生物多様性に悪影響を及ぼすことが指摘され、2030年までに廃棄窒素を削減することが求められている。

日本では、2023年から関係省庁と専門家により議論が進められた。パブリックコメントも実施され、意見募集には97件の意見が寄せられた。そして、2024年5月に閣議決定された第6次環境基本計画に基づき、「持続可能な窒素管理に関する行動計画」が策定された。

持続可能な窒素管理が生態系への影響を軽減し、長期的な環境保全につながることが期待される。

【プレスリリース】「持続可能な窒素管理に関する行動計画」の策定について
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