持続可能な観光業の取り組みが近年注目され、フィジーの「ロロマ・アワー」をはじめ、自然環境と地域経済の両立をめざす事例が各地で増えている。一方で、循環経済が観光客の増加や地域収益の向上に寄与するのかという問いへの明確な答えは出ていない。
残念ながら、「観光客増加や地域収益への影響は限定的」というのが、多くの地域における現時点での答えだろう。国際学術誌「Sustainability」に掲載された論文は、その一例を示している。調査対象となったのは、スペイン北西部のガリシア州。白ワインの名産地として知られ、豊かな自然や美食に加え、サンティアゴ・デ・コンポステーラの歴史地区など文化的遺産も有する。

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循環経済は観光に貢献するのか。スペイン・ガリシア州ワインツーリズムのケーススタディ
山口 真矢子
山口真矢子(やまぐち まやこ)。英国在住。一級建築士、Project Management Professional(PMP)。鉄道会社とエンジニアリング系コンサルティング会社で、建築工事・改修プロジェクトのマネジメント、建築や都市に関わる調査、事業コンセプトの立案などを経験。専門分野:建築工学、施設管理、プロジェクトマネジメント、建築・都市のサステナビリティ。