アミタグループは2月22日、国が推進する「デジタル田園都市国家構想」と融合する新たな地域モデルとして「Co-Creation City(コ・クリエーションシティ)構想(CCC構想)」を打ち出した。デジタル田園都市国家構想は、デジタル実装を通じて地域の課題解決を目指すのに対し、CCC構想は「市民・企業・自治体が三位一体となり、地域の関係性・多様性・文化性を豊かにし、持続可能なまちづくりの実現」を目指すもの。アミタグループは、「地方自治体のまちづくり政策の推進においてデジタル田園都市国家構想と融合し相乗効果を生む」と考え、同事業を推進していく。

CCC構想について、アミタグループは、人口減少や少子高齢化、社会保障費の増大、雇用縮小といった地方自治体の課題を、「関係性の増幅」と「循環の促進」で解決する「画期的なまちづくりのコンセプト」だとしている。

例えば、人口減少に対しては、関係性人口を増幅させることが一つのアプローチと捉えている。高齢化による社会保障費の増大に対しても、関係性の増幅による孤独の解消が健康寿命の延伸につながり、医療費や介護費の低減に貢献するという考えだ。

また、資源枯渇の課題に対しては、可能な限り地域内で資源を循環させ、域内で処理しきれないものは広域の資源循環の仕組みと連動させることで、自治体のごみ処理コストの削減や企業の域内資源調達を可能にすると見込む。

関係性の増幅を実現しながら、地域内での資源循環を促進するインフラとなるのが、「MEGURU COMPLEX」だ。従来「焼却ごみ」とされていたものを、液体肥料、パルプや可燃物に資源化したり、衛生ごみの熱分解により得た灰をセメント原料に加工したりするなど、それぞれの資源に対応した再資源化施設を複合的に組み合わせる仕組み。

プラスチック等の資源回収には、同社が展開するコミュニティ型資源回収ステーション「MEGURU STATION®」を活用する。市民が分別した資源をステーションに持ち込むことで、資源回収の質の向上を実現し、市民自身が資源化の主体となることが狙いだ。日本は世界一焼却炉の数が多いと言われる中、焼却・埋め立てに依存しないまちづくりを目指す。

政府は2050年に温室効果ガス排出の実質ゼロを目指し、GX経済移行債を10年間で20兆円発行し、官民合わせて150兆円を超える脱炭素投資を見込んでいる。しかしアミタグループは、こうした脱炭素投資の投資先は、大規模な再エネ関連や次世代革新炉などが主な対象だと指摘する。

CCC構想では、地域債券発行を実施し、市民も出資できる仕組みを構築することで、市民の参画・利用の促進を目指す。また、地域が豊かになることで債券価値も上がり、市民のさらなる参画意欲が向上すると期待する。CCC構想の実現に向けて、市民の出資・参画・利用の仕組みの構築を目指す。

【プレスリリース】アミタグループ、新たな地域モデルとなる「Co-Creation City(コ・クリエーションシティ)構想」を発表 -関係性増幅と循環促進の基盤となる自治体向け資源循環ソリューションの開発を開始-
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(※画像の出典:アミタグループ)