産業廃棄物のリサイクル事業などを展開するアミタホールディングス株式会社(以下、アミタHD)は、アジア・大洋州地域でのビジネス展開を加速するため、マレーシア子会社をAMITA CIRCULAR DESIGN SDN. BHD.(日本語表記:アミタ・サーキュラーデザイン株式会社)へ4月1日付で社名変更し、海外統括会社として新たに事業を開始すると発表した。

ASEAN市場には、約4,200億米ドル(約62兆7,600億円相当)のサーキュラービジネスの機会が生まれる試算だという。アミタ・サーキュラーデザイン社は、2017年から現地で展開中の100%リサイクル事業を基盤とし、成長期待の大きいASEAN市場を視野に、持続可能な企業経営や地域運営を統合的に支援する「社会デザイン事業」の実現を目指す。

アミタHDは、2024年の海外事業の展開として、主に以下を計画している。

  1. マレーシアにおける新規事業の事業可能性調査
  2. インドネシアにおける代替原燃料製造・供給事業化に向けた合弁会社の設立
  3. パラオにおける包括的資源循環システム導入・事業化に向けた検討

海外事業における新たな展開フェーズと捉え、社会デザイン事業を見据えた展開の加速と事業運営の最適化を図る海外統括拠点として、アミタ・サーキュラーデザイン社を位置付ける。

マレーシアを選んだ理由として、既存事業の経営資源や関係性を活用できること、使用言語と立地面からアジア・大洋州地域への展開に優位であること、インフラが充実しており、ビジネスコストを相対的に抑えられることを挙げている。

ASEANでのビジネス戦略は、セメント産業向け代替原燃料製造・供給事業の収益拡大(マレーシア)、セメント産業向け代替原燃料製造・供給事業の立ち上げと収益化(インドネシア)、両国におけるパーム産業などから排出される未活用・低利用のバイオマス資源活用事業の開発、サーキュラーエコノミーや脱炭素社会の実現に向けた社会デザイン事業の展開、統合的な島嶼サーキュラーモデルへの事業参画と他国島嶼地域への水平展開(パラオ)、さらにインドなどサーキュラー市場拡大が見込まれるアジア諸国への事業拡大を手掛ける方針だ。

事業展開の基盤となるのはマレーシアとインドネシアでの代替原燃料製造・供給事業。バイオマス資源が豊富な地理的特性を踏まえ、自然資源の循環・有効活用に資する事業開発にも取り組む。将来は、アミタグループが日本国内で提供する「Cyano Project」や「MEGURU STATION」などの循環型サービスをアジア・大洋州マーケットでも展開し、社会全体の持続性向上を目指す。

今回の組織編制により、アミタ・サーキュラーデザイン社では、現地ニーズを捉えたスピーディーな事業展開に向け、アジアワイドな人財登用と地域でのビジネスパートナーシップの強化を図る。

【プレスリリース】アミタHD、マレーシア子会社をAMITA CIRCULAR DESIGN SDN. BHD.へと社名変更し、海外統括会社として新たに事業開始~アジア・大洋州におけるビジネス展開を加速~
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