アミタホールディングス株式会社はこのほど、インドネシアのセメント大手PT Indocement Tunggal Prakarsa Tbk.(以下インドセメント)と共同事業調査のための覚書(MOU)を締結した。両社は今後、インドネシアにおける事業連携を視野に、カーボンニュートラルおよびサーキュラーエコノミーなどを推進するための包括的な事業可能性調査を共同で実施する。

建設需要の高まりで拡大するセメント業界のサーキュラーエコノミー実現に向けて

世界第4位の人口を持つインドネシアでは、今後も人口増加と都市化が続くと予測されており、住宅や商業施設の建設需要の高まりなどに伴いセメント需要も拡大することが見込まれている。セメント生産は産業別にみてCO2排出量が鉄鋼に次いで多く、国全体としての排出増にもつながっている。

今回MOUを締結したインドセメントは、独ハイデルベルク・マテリアルズの傘下企業だ。ハイデルべルク・マテリアルズはCO2排出量ゼロを目標に、セメント・骨材・生コンクリート領域で主要な市場シェアを持つ世界最大規模の建材・ソリューションメーカーである。インドセメントはサステナビリティ経営を進めており、専門性を持った事業パートナーを求めていた。一方、アミタグループは近年マレーシアに続く新たな海外市場として、インドネシアでの事業可能性を検討してきた。

両社はまず、2023年末を目途に産業廃棄物や一般廃棄物由来の代替燃料および原料を調達・製造・供給する事業の実現性を分析し、事業構造を検討するとしている。さらに、アミタグループが日本で展開する「資源の分別回収」と「コミュニティの形成」機能を併せ持つ、互助共助コミュニティ型資源回収ステーション「MEGURU STATION®」や、カーボンニュートラル達成およびサーキュラーエコノミー移行に向けた循環型ビジネス創出を支援するCyano Projectなど、循環型社会の実現に向けた事業を同国でも展開し、企業や自治体の持続性を高めていくことを計画している。

インドセメント代表取締役社長のChristian Kartawijaya 氏は「今回の連携により、カーボンニュートラルの目標を達成し、さらにその先の目標も達成できると確信しています。同時に、廃棄物の活用技術によって地下資源への依存を減らすことで、インドネシアの他産業を持続可能な方法で支援し、循環型経済を促進していきます」とコメント。アミタホールディングス代表取締役社長兼CIOO(最高統合執行責任者)の末次貴英氏も「インドネシアでの活動を通じて、循環型社会の実現に向けた取り組みを日本国外へも積極的に展開し、ひと・自然・もの・情報が循環するエコシステム社会を拡張していきます」と述べた。

【プレスリリース】アミタHD、インドネシア大手セメント会社PT Indocement Tunggal Prakarsa Tbk.社とMOUを締結~同国における脱炭素・循環型事業の進出を目指す~
【関連サイト】Cyano Project(アミタ株式会社)
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*冒頭の画像の出典:アミタホールディングス株式会社