アミタホールディングスとNTTコミュニケーションズ(以下 NTT Com)はこのほど、サーキュラーエコノミーの実現と行政・地域コミュニティが抱える課題解決に向けたツール「サーキュラー・プラットフォーム」の構築による市場創出に関する基本合意書を締結した。両社は今後、プラットフォームを活用した市場創出と新規事業開発に向けた検討を進めるとしている。

サーキュラーDXの推進で資源循環の課題と地域課題の同時解決を目指す

「サーキュラー・プラットフォーム」は、市民(消費者)、地域(自治体)、企業からなるエコシステムと、環境負荷の観点から収集したデータを可視化するデジタル技術で構成される。これにより、再生資源や製品の循環を生み出し、市民と企業にそれぞれ以下のような行動変容をもたらすとしている。

  1. 市民の行動変容
    持ち込んだ資源の量・種類、どのように循環されるか、環境負荷がどの程度低減されるかを可視化することで、より適切な分別・排出に向けた意識を高める。これにより、より環境負荷が低い製品・サービスの購買が促進されることを目指す。
  2. 企業の行動変容
    生産する製品に使われる素材や、その原料となる資源の量・種類を把握できることで、必要な再生資源の計画的な使用と調達を可能にする。また、販売する製品やサービスの調達・生産・流通のプロセスを環境負荷の観点で評価し、改善できるようになる。
サーキュラー・プラットフォームのイメージ(アミタホールディングス提供)

本プラットフォームの構築に当たり、アミタホールディングスは地域コミュニティの資源回収ステーション「MEGURU STATION®」を含む資源回収・コミュニティ醸成拠点で各種社会実証を企画、運用するとともに、市民に対する行動変容の検証や、回収方法と再利用時の品質を考慮した選別フローについての企画を担う。また、NTT ComはICTシステムの導入検討、構築とともに、資源循環プラットフォーム構築に必要な情報システムに関する企画の実施、保有する情報システムやサービスの実証試験への提供を行うとしている。

こうした役割分担に基づき、両社は市民のウェルビーイング向上、CO2排出量や生物多様性など環境影響の可視化と改善、域内経済循環の促進に資する情報システムの企画設計と実証試験によって市場の創出とサービスの提供を目指す。また、企業向けには本プラットフォームの構成システムの一つで資源ごみの種別や量などを把握できる「資源循環プラットフォーム」や、製品のサービス化(PaaS)モデルの構築に関する情報システムの企画設計と実証試験を通じて市場の創出とサービスの提供を検討するとしている。

これらの取り組みについては今後、オープン型での企業の参加、連携を可能にするプラットフォーム構築に関する研究会型の組織を立ち上げて進める予定。両社は、2023年度末の事業化を目指して「サーキュラー・プラットフォーム」を構築することで、資源循環をもとにした環境課題と地域・社会課題の解決に向けた取り組みを加速し、持続可能な社会の実現に貢献したい意向だ。

【プレスリリース】
アミタHDとNTT Com、「サーキュラー・プラットフォーム」の構築による市場創出に関する基本合意書を締結