FCNT株式会社はこのほど、「arrows」ブランドの新シリーズ「arrows N」を2022~2023年冬春モデルとして株式会社NTTドコモより発売すると発表した。
FCNT株式会社はサーキュラーエコノミーに基づいた製品開発が必要であると考え、arrows Nに「リサイクル材の使用」と「製品の長寿命化」を軸とする環境配慮型の設計を採用し、詳細について以下を発表した。
- リサイクル材の使用:電気電子部品を除いて、リサイクル材を約67%使用した。外観だけでなく内部フレームなどにも再生プラスチックを使用し、カメラフレームやサイドフレームに100%再生アルミニウムを採用した。これにより、バージンプラスチックを約4.8トン、バージンアルミニウムを約33.9トン削減した。加えて、国内製造工程(組立・試験・梱包)では再生可能エネルギーを、梱包箱にはFSC®認証紙やバイオマスインキを採用した
- 製品の長寿命化:製品の長寿命化を目指し、使い始めの電池もちが4年間続く充電制御技術を採用した。最新Android™ へのアップデートを最大3回提供し、購入後も最新モデルと同様の機能体験を可能にする。セキュリティの脆弱性や問題については、最長4年間サポートする。耐久性・防水性能・防塵性能に優れ、米国国防総省の調達基準(MIL-STD-810H)の23項目に準拠している。汚れても丸洗いでき、長く清潔に使用できる
arrows Nでは、寄付施策にも取り組む。ドコモオンラインショップにおける「arrows N F-51C」1台の購入につき、機種代金の約1%を世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)に寄付する。寄付施策は、FCNT株式会社と株式会社NTTドコモが共同で実施し、2023年5月31日までの購入機種が対象となる。
今後もarrows Nでは、環境負荷を抑えながら高品質かつ高性能を追求し、誰もが使いやすい「エシカルな選択」を顧客に提供していきたい考えだ。FCNT株式会社は2025年度中に、電気電子部品を除く全部品で環境配慮素材を採用することを目指している。
現在、日本をはじめ世界において大量の電子廃棄物が発生しており、回収・リサイクル率は約17.5%(世界全体)と低い。この問題の解決に寄与するべく、電子機器のサーキュラーエコノミー移行に向けたさまざまな取り組みが進められている。取り組み例としては、arrows Nで採用されたリサイクル材の使用や製品の長寿命化をはじめ、製品の長寿命化に向けて修理可能性の向上を目的とした、部品の入手可能性や修理情報・分解のしやすさなどの設計とサービスの提供、サブスクサービスの提供などがある。今後こうした取り組みが加速し、電子機器の長期使用および電子廃棄物の削減に貢献していくことが期待される。
【プレスリリース】日本で最もサステナブルなスマートフォンを目指して「arrows N」を商品化~リサイクル素材を約67%使用、使い始めの電池もちが4年間続く充電技術により製品の長寿命化を実現~
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*冒頭の画像の出典:FCNT株式会社