英大手ドラッグストアチェーンBootsはこのほど、新しいリサイクルスキームを開始したことを発表した。Bootsが開発した化粧品ブランドのNo7と協力して、英国にあるBootsの50店舗が参加する。
このリサイクルスキームの目的は、顧客により持続可能な買い物と消費をしてもらうことだ。リサイクル対象は、通常はリサイクルが難しい全てのブランド製品の空容器で、その種類は古いマスカラや歯磨き粉チューブ、口紅やビタミン剤容器など幅広い。
同スキームは、以下のように機能する。
- Bootsの同スキームの専用サイト「Boots Scan2Recycle」にアクセスする
- スマホを使って空容器をスキャンする
- 参加店舗の回収箱に行き、空容器を返却する。参加店舗はBootsのホームページで検索できる
- 空容器の写真を撮り、回収箱をスキャンする
- ポイントを入手する。空容器5個ごとに5ポンド(約670円)相当のバウチャーを獲得できる
- 返却された容器は、BootsのリサイクルパートナーであるReWorked社に直接送られて新しい製品に成形され、リサイクルされた容器の量も追跡できる
これに類似したシステムとして、ペットボトルや瓶などのデポジットシステム(デポジット・リターン・スキーム)がある。飲み物を購入するときに容器代としてデポジットを支払い、空容器を返却するとデポジットが戻ってくるシステムで、ドイツではこのシステムによって96%(PETボトル)という高い割合で空容器が返却されているデータもある。
そして、Bootsの新しいリサイクルシステムはデポジット代を支払うことなく、これまでごみとして捨てていた空容器をリサイクルしてバウチャーを獲得できるということで、一般消費者にとって魅力的なシステムとなり、空容器の回収率向上が期待される。
【参照サイト】Boots launches new sustainability scheme rewarding customers for recycling their empties
【参照サイト】„Aufkommen und Verwertung von PETGetränkeflaschen in Deutschland 2015“

クリューガー量子
クリューガー量子(くりゅーがー りょうこ)ドイツ在住、ハイデルベルク市公認ガイド。土木工学を学び日本で土木技術者として働いた後、メキシコでスペイン語を習得、日西通訳として自動車関連企業で働く。2003年に渡独。専門分野:ドイツのサーキュラーエコノミー関連政策・企業動向、企業現地視察サポート、建設業界のサーキュラーエコノミー移行。個人ブログ:http://ameblo.jp/germanylife10/ 。(この人が書いた記事の一覧)