東海カーボン株式会社、株式会社ブリヂストン、九州大学、岡山大学の4者は1月27日、使用済タイヤ等のゴムを含む高分子製品から再生カーボンブラックを回収し、新品カーボンブラック並のゴム補強性を持つカーボンブラック(eco Carbon Black、eCBTM)を生成する技術開発プロジェクトを開始したと発表した。
本プロジェクトは、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業」に採択された「使用済みタイヤを含む高分子製品からのカーボン再利用技術の開発」の一環として実施される。
現在、再生カーボンブラック(recovered Carbon Black、rCB)は既存技術で回収されているものの、不純物が多く含まれるため、新品カーボンブラック(virgin Carbon Black、vCB)と比較するとゴム補強性が低く、タイヤへの活用には課題がある。また、使用済タイヤの多くはサーマルリカバリーによる燃料利用が主流であり、その際にCO2が排出される。こうした状況を踏まえ、自動車需要の増加によるタイヤ需要の拡大を見据えて、資源循環を強化するために本技術開発を進めている。
本プロジェクトでは、東海カーボンがrCBの不純物を除去し、eCBに二次処理するための技術及び設備を開発。ブリヂストンが、eCBを用いたゴムおよびタイヤの実用性評価を担当する。九州大学はeCBの表面状態観測とゴム補強メカニズム解明、岡山大学は使用済タイヤを熱分解をせずにカーボンブラックを再利用可能とする特殊ポリマー/特殊カーボン複合体の開発を進める。4者は、2032年度までにeCBを年間5,000トン生産する実証プラントの稼働を目指す。
東海カーボンは、カーボンブラックを主力製品とする企業であり、本プロジェクトを通してカーボンブラックのリサイクル性向上とCO2排出量削減に取り組む方針。ブリヂストンは、使用済タイヤの資源化を推進する「EVERTIRE INITIATIVE」を展開し、タイヤ水平リサイクルの社会実装を加速させる方針を示している。
【プレスリリース】使用済タイヤ等からカーボンブラックを生成する共同プロジェクトを開始
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(※画像の出典:株式会社ブリヂストン)
