エレン・マッカーサー財団の循環型経済パフォーマンス測定ツールである「Circulytics(サーキュリティクス)」が、ロイター・イベンツが主催する「2020 Responsible Business Awards」でサーキュラーイノベーション賞を受賞した。
サーキュラーイノベーション賞は、リニア型モデルからサーキュラー型モデルへの移行を目指す企業の支援をテクノロジーによって可能にする循環型イニシアチブまたはプロジェクトを開発した組織に贈られる賞である。
Circulyticsはエレン・マッカーサー財団が今年1月に公開した、企業の事業運営におけるサーキュラリティ(循環性)を計測できる無料デジタルツールだ。現在、世界中で600社以上の企業がCirculyticsを導入しており、これらの企業の4分の1は10億ドル(約1050億円)を超える年間収益を上げている。
「この素晴らしいイノベーションは一連の指標全体の進捗状況を記録することで、企業がより循環型のビジネスモデルを採用するために必要なデータを提供します。システムや生産プロセスから経営幹部レベルの戦略にいたるまで、こういったツールは今までありませんでした」と、ロイター・イベンツは語っている。
エレン・マッカーサー財団の洞察および分析リードであるジャルコ・ハバス氏は、「この賞を受賞できたことを大変嬉しく思います。Circulyticsを使用している企業から、数々の素晴らしいフィードバックが寄せられており、これらの企業は循環型モデルへの移行には循環型経済のパフォーマンス測定がいかに重要であるかを認識しています。結局のところ、適切に測定できるようになるまで、循環型経済を達成することはできません」と述べている。
同財団は最新版となるCirculytics 2.0をリリースしている。初版よりもさらに包括的で、ユーザーエクスペリエンスも向上。さらに、業界のベンチマークの範囲が拡大され、企業は同業他社とパフォーマンスを比較することが可能だ。また、水の流れの新しい指標と、中国語・スペイン語・ポルトガル語翻訳も提供される。
【プレスリリース】Circulytics wins Reuters Responsible Business Award
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