日本コカ・コーラ株式会社とコカ・コーラシステム(※)はこのほど、2021年5月31日より「コカ・コーラ」「コカ・コーラ ゼロシュガー」「コカ・コーラ ゼロカフェイン」および「ジョージア ジャパン クラフトマン」などの対象製品に100%リサイクルPETボトルを導入することを発表した。

これにより1本あたり約60%、コカ・コーラシステム全体で年間約35,000トンのCO2排出量を、および石油由来のバージンプラスチックを約30,000トン削減できる見込みであるとしている(一般的なPETボトルから100%リサイクルPET素材に切り替えた場合。対象製品合計・前年出荷実績に基づく当社試算)。

日本のコカ・コーラシステムでは2018年1月に発表した「容器の2030年ビジョン」(2019年7月に更新)に基づき、使用済みPETボトルを回収して新たにPETボトルとして再生する「ボトルtoボトル」を推進しており、2030年までにPETボトルへの石油由来のバージン材の使用ゼロを目指している。2020年には「い・ろ・は・す 天然水」(3月)、「い・ろ・は・す 天然水 ラベルレス」(4月)に100%リサイクルPETボトルを導入した。

現在、コカ・コーラシステムの清涼飲料事業におけるリサイクルPET樹脂使用率は28%(2020年実績)だが、今回の旗艦製品への100%リサイクルPETボトルの導入により、2022年のリサイクルPET樹脂使用率を50%まで高める計画だ。2030年にはPETボトル容器を100%サステナブル素材(リサイクル樹脂使用率90%、植物由来樹脂使用率10%)への切り替えを目指している。

今回導入予定の100%リサイクルPETボトル製品は、「東京2020オリンピック大会」会場内でも販売される予定だ。3月25日から開催され、コカ・コーラ社がプレゼンティングパートナーを務める「東京2020オリンピック聖火リレー」会場などでも、100%リサイクルPETボトルを使用したコカ・コーラ社製品(非売品)のサンプリングを実施している。コカ・コーラシステムでは消費者とさまざまな接点においてPETボトルの適切な回収とリサイクルを呼びかけることにより、PETボトルをはじめとした飲料容器の回収率向上とプラスチック資源の水平リサイクルのさらなる推進に貢献するとしている。

日本のコカ・コーラシステムでは引き続き、グローバルビジョン「World Without Waste(廃棄物ゼロ社会)」に基づいて、「設計」「回収」「パートナー」の3つの柱からなる活動に取り組み、日本国内におけるプラスチック資源の循環利用促進に貢献していると認識している。

「リサイクルしてね」ロゴの導入

プラスチック循環型社会の実現に向けた啓発活動の一環として、コカ・コーラシステムでは2021年2月下旬より順次、全てのリサイクル可能な製品容器包装に共通の「リサイクルしてね」ロゴを導入し、消費者への呼びかけに努めている。特に、リサイクルPET樹脂を100%使用した容器のラベルには「100%リサイクルペット」の表示も記載することで、消費者に対し店頭などでより環境負荷の低い製品の選択を促している。「リサイクルしてね」ロゴは製品容器包装のほかに、広告物・POP・リサイクルボックスなどにも順次展開している。

ラベルレス製品の試験導入

今回の旗艦製品への100%リサイクルPETボトル導入に加え、容器包装に使用されるプラスチックの削減を促進するため、5月31日に一部エリア・チャネルで、紙カートンを使用した「コカ・コーラ」などのラベルレス4本マルチパックの試験販売を開始する予定だ。

対象製品:「コカ・コーラ」350mlPET、「綾鷹」525mlPET、「アクエリアス」500mlPET、「い・ろ・は・す 天然水」560mlPET

100%リサイクルPETボトル対応ブランド・対象製品(2021年5月31日時点)

「コカ・コーラ」
  • 「コカ・コーラ」「コカ・コーラ ゼロシュガー」「コカ・コーラ ゼロカフェイン」350ml/500ml/700ml PET
  • 「コカ・コーラ プラス」470ml PET
  • 「コカ・コーラ レモン&ビタミン」500ml PET(セブン&アイグループ限定商品)
  • 「コカ・コーラ ラベルレス」「コカ・コーラ ゼロシュガーラベルレス」350ml PET(ケース販売用)
「い・ろ・は・す 天然水」
  • 「い・ろ・は・す 天然水」340ml/555ml PET
  • 「い・ろ・は・す 天然水 ラベルレス」560ml PET(ケース販売用)
「ジョージア」
  • 「ジョージア ジャパン クラフトマン ブラック」「ジョージア ジャパン クラフトマン カフェラテ」「ジョージア ジャパン クラフトマン 微糖」500ml PET※メッセージボトルのみ対象

コカ·コーラシステムのサステナビリティへの取り組み

日本コカ・コーラ株式会社とコカ・コーラシステムは、「世界中をうるおし、さわやかさを提供すること。前向きな変化をもたらすこと。」の事業目的に基づき、日本が直面する重要な課題に対して事業を通じて変化をもたらしながら、未来を共創していくことに責任を持って取り組んでいるとしている。2020年には「多様性の尊重」「地域社会」「資源」の3つのプラットフォームと9つの重点課題を特定し、システム共通のサステナビリティ枠組みを策定した。各領域において事業活動を通じて社会課題の解決を目指すことで、持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも貢献していく意向だ。

2021年2月、コカ・コーラ社は米国の数州において100%リサイクルPET使用ボトルを用いて同社ブランドの販売を開始した。2021年2月時点で同社は25以上の市場で100%リサイクルPETボトルを提供しており、2030年までにリサイクル素材50%のボトルを製造するという同社の目標「廃棄物ゼロ社会」に近づいていることを発表した。目標「廃棄物ゼロ社会」において、2025年までに容器包装の100%を世界的にリサイクル可能にし、2030年までに世界で販売するすべてのボトルと缶を収集してリサイクルすることを定めている。

※ コカ・コーラシステム:ザ コカ・コーラ カンパニーの日本法人で、原液供給と製品の企画開発を展開する日本コカ・コーラと全国5社のボトリング会社(コカ・コーラ ボトラーズジャパン、北海道コカ・コーラボトリング、みちのくコカ・コーラボトリング、北陸コカ・コーラボトリング、沖縄コカ・コーラボトリング)などで構成されている。コカ・コーラシステムが国内で取り扱う製品は50以上の炭酸飲料および非炭酸飲料ブランドにおよび、「コカ・コーラ」「コカ・コーラ ゼロ」「コカ・コーラ ゼロカフェイン」「ファンタ」「スプライト」などのグローバル・ブランドや、「ジョージア」「アクエリアス」「い・ろ・は・す」「綾鷹」など日本市場用に開発されたブランドが含まれる。

【プレスリリース】コカ·コーラ社製品が、さらにサスティナブルに。「コカ·コーラ」、「ジョージア ジャパン クラフトマン」※1などの旗艦製品が2021年5月31日より100%リサイクルPETボトルで登場
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*記事中の画像の出典:日本コカ・コーラ株式会社