英国のNPO法人ドーナツ・エコノミクス・アクション・ラボ(DEAL)はこのほど、ドーナツ経済学を地域でのサーキュラーエコノミーへの移行で活用するための5つのツールを公表した。

「Doughnut Unrolled(ドーナツを展開する)」と名づけられたこのツールは、これまでにDEALに寄せられた多くの質問に共通する次の問いへの回答として作成された。

ドーナツ(経済学)の目的は、地球の生態系の許容する範囲ですべての人々のニーズに応えるもの。しかしそれは、私たちの住む地域、自治体、都市、国にとってどういうことなのか?

Doughnut Unrolledは、2020年に公表したドーナツ経済学に基づくサーキュラーエコノミーへの移行に向けた手引き「Thriving Cities Initiative」をベースに作成。以下の5つのツールで構成されている。

1)4つのレンズの紹介
地域と世界、環境と社会という軸で分けた4つの象限(レンズ)を紹介し、地域で人間味あふれるドーナツ経済を展開するためのツールを提供。

2)コミュニティポートレイト
4つのレンズを用いた地域で行える参加型ワークショップを厳選。

3)データポートレイト
4つのレンズそれぞれにおいて必要なデータや指標の集め方をまとめたハンドブックを作成。

4)特定テーマを深掘りするアプローチ
特定のテーマやトピックを4つのレンズを通じて深掘りする際に参照できる複数のアプローチを提示。特定の業種や戦略、政策、プロジェクトやイニシアチブに対して使えるものになっている。

5)4つのレンズの次元
4つのレンズそれぞれは、実社会でどのような次元で表れるのか概説。

DEALは「この5つのツールによって、あなたの地域の全体像を把握し、多彩なインプットと視点を通じて、地域におけるサーキュラーエコノミーへの移行を支援する」とコメント。今回は英語での公開だが、DEALではすでに数カ国語での翻訳、公表に向けて作業中だとしている。

【参照サイト】Launching ‘Doughnut Unrolled’ – a new set of tools for your place
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