三菱ケミカル株式会社(以下、MCC)とENEOS株式会社(以下、ENEOS)はこのほど、MCC茨城事業所においてプラスチック油化共同事業を開始することを発表した。同事業所に商業ベースで国内最大規模となる年間2万トンの処理能力を備えたケミカルリサイクル設備を建設し、2023年度に廃プラスチックの油化を開始することを目指す。

同共同事業では、外部から調達した廃プラスチックを英Mura Technologyの超臨界水技術を導入する新設備にて化学的に液化し、油化処理を行う。製造された油(リサイクル生成油)は、 両社の既存設備である石油精製装置およびナフサクラッカーにおいて原料として使用し、石油製品や各種プラスチックに再製品化することで、高効率なケミカルリサイクルの循環が実現するとしている。

(出典:三菱ケミカル株式会社、ENEOS株式会社)

今後、両社は原料廃プラスチックの安定調達・サーキュラーエコノミーに関する認証(※)取得などによる製品の高付加価値化・次世代事業としてさらなる技術的知見の習得を図る意向だ。

※ サーキュラーエコノミーに関する認証:プラスチック製品へのケミカルリサイクル品認証および石油製品への温室効果ガス削減などの認証

【プレスリリース】ENEOSと三菱ケミカル共同のプラスチック油化事業実施について ~国内最大規模のプラスチックケミカルリサイクル設備を建設~
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