環境省は7月4日、環境産業の市場規模・雇用規模等の推計結果をまとめた2023年度「環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書(2022年調査結果)」を公表した。

報告書では、経済協力開発機構(OECD)や欧州連合統計局(Eurostat)による環境産業の定義・考え方を基に、環境産業について「供給する製品・サービスが環境保護および資源管理に直接的または間接的に寄与し、持続可能な社会の実現に貢献する産業」と定義。具体的には「環境汚染防止」、「地球温暖化対策」、「廃棄物処理・資源有効活用」「自然環境保全」の4分野としている。

報告書によると、国内の環境産業の市場規模推計は118兆8,824億円と、前年比4%の増加、2000年比約1.9倍。全産業に占める環境産業の市場規模の割合は、2000年の6.6%から10.7%まで増加しており、環境産業が日本の経済成長に与える影響が大きくなっていることがうかがえる。

国内の環境産業の雇用規模推計は約296.3万人で、前年比4.6%の増加、2000年比約1.5倍だった。また、環境産業の輸出額推定は約19.3兆円で前年比10.7%の増加、2000年比約10.9倍。輸入額推定は約5兆円で、前年比6.2%の増加、2000年比約9.3倍となった。

環境産業の付加価値額の推定は約50.2兆円と、前年比約3%の増加、2000年比では約1.7倍。そして経済波及効果は約224.8兆円で、前年比約4.7%増、2000年比約1.9倍と推計された。特に「建築リフォーム、リペア」、「低燃費・低排出認定車(輸出分)」などが経済波及効果の大きい部門として挙げられている。

報告書は、「国内の市場規模は2050年にかけて上昇傾向を続け、約135.9兆円まで成長する」と推計。2050年の市場の構成比率は「廃棄物処理・資源有効利用」分野が51.5%と最多で、「地球温暖化対策」分野がその後に続く結果となっている。

【プレスリリース】環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書の公表について
【参照記事】環境産業の市場規模・雇用規模等の推計結果の概要について(2022年度版)
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