環境省は9月26日、プラスチック資源循環におけるマスバランス方式に関する研究会及び検討会の成果を受けて、「プラスチック資源循環におけるマスバランス方式の活用に関する基本的な考え方」を公表した。

マスバランス方式は、特性の異なる原料が混合される場合に、ある特性を持つ原料の投入量に応じて、生産する製品の一部にその特性を割り当てる手法のこと。プラスチック製品など様々な製品に適用されつつあり、バイオマスや再生原料の活用促進につながると期待されている。しかしその一方で、マスバランス方式の導入による環境負荷低減効果については、十分に知見が蓄積されていないという課題も指摘されていた。

2022年度から始まったこの取り組みでは、有識者や専門家が集まり、プラスチック資源循環の課題について議論を行ってきた。今回発表された基本的な考え方では、マスバランス方式を用いてバイオプラスチックや再生プラスチックを利用する場合、実際の利用と比べて環境価値が分かりにくいことから、以下の3要素を満たすことが肝要だとした。

  • 環境効果の把握:マスバランス方式を採用する前提として、バイオプラスチックや再生プラスチックを利用することによる環境負荷低減の効果(環境価値)を、ライフサイクルアセスメント(LCA)等の専門家と相談しながら適切に把握すること
  • 環境価値の適正な管理:サプライチェーン上の環境価値のインプット・アウトプットを、第三者による評価・認証も活用しながら、適正に管理すること
  • 適切な表示・コミュニケーション:ユーザーや生活者が環境価値を正しく理解するため、製品特性に応じた適切な表示・コミュニケーションを行うこと

【プレスリリース】「プラスチック資源循環におけるマスバランス方式の活用に 関する基本的な考え方」の公表について
【参照記事】マスバランス方式に関する検討
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