欧州木製パレット梱包製造業者連盟(FEFPEB)*1は5月26日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)危機の最中や収束後において、木製パレット・梱包の標準的地位(essential status)を求める公式声明を欧州各国政府に向けて発表した。

同団体は新型コロナ危機において、木製パレット・梱包の使用推進を目的としたロビー活動を精力的に行ってきたが、声明に関してFEFPEB事務局長のFons Ceelaert氏は次のように述べている。

「木製パレット・梱包は、食品や衣料品など生活必需品の供給を維持するうえで重要な役割を果たします。これらは、メーカーや修理業者のサプライチェーンにとって必要不可欠なものです。当団体は、電子商取引(EC)を含め、欧州各国すべての政府が木製パレットと梱包を業界の標準的地位にするよう求めます。これにより、収束後も必需品の供給が継続することと、日常的に機能し続けることが保証されるからです」

「持続可能な製品」を標準とすることが盛り込まれている欧州循環型経済行動計画において、木製パレット・梱包が果たす役割について、同氏はこう話している。

「木製梱包は、持続可能な製品の縮図です。継続的に再生可能な資源から作られ、耐用年数を終え製品や燃料にリサイクルされるまで、修理・再利用できます。製品輸送の重要な要素として、サーキュラーエコノミーの柱となっています」

同団体がこの時期に改めて声明を発表したのは、その衛生面における機能が新型コロナ危機の最中にあっても有効であることを主張する意図もある。

2018年2月から2019年12月にドイツのドレスデンの木材研究機関Institut für Holztechnologieが実施した調査で、標準パレットであるEPALユーロパレットとH1プラスチックパレットの微生物特性を比較。その結果、プラスチックと比較して、木材の表面では細菌の生存率が低く、木製パレットが食品輸送など、衛生に配慮すべき分野での活用により適していることがわかった。

さらに、プラスチックパレットの表面が摩耗してできる粗い部分は、細菌の繁殖に理想的であることを明らかにした。一方で、木材は微生物の繁殖を防ぐ天然の抗菌特性をもっている。プラスチック製パレットと比較すると、木製パレットの抗菌性は13倍にもなるということがわかっている。そのため、木製パレットはウイルス対策の面から考えても、食品輸送に最適な選択肢だと同団体は主張する。

「木材は食品など衛生に敏感な分野で長い間安全に使用されており、研究結果によって支持されています。それにも関わらず、これまでの実績は特定の他業界によって疑問視されてきました。この研究は、木材がこれらの用途に適しているだけでなく、むしろ最適の選択肢であることを明確に示しています」と、Fons Ceelaert氏は強調する。

新型コロナ危機の最中、ベルギー・イタリア・イギリス・ドイツの一部の地域ではすでに木製梱包の標準的地位が認められている。それ以外の国でも食品や医薬品などの市場への供給を維持するため、安全対策を講じつつ、木製梱包の使用は広く許可されている。

衛生面に関して以前にも増して慎重に考えなければいけなくなった今、木製パレット・梱包が感染症危機にも対応できるものとして、さらに躍進する可能性を秘めている。

*1: 欧州木製パレット梱包製造業者連盟(European Federation of Wooden Pallet & Packaging Manufacturers)・・・1946年に設立された、木製パレット・軽量包装・工業用包装など欧州各国の木製梱包関連産業の利益代表を行う非営利団体

【プレスリリース】FEFPEB calls for ongoing essential European status for wooden pallets and packaging after Covid-19
【参照サイト】欧州木製パレット梱包製造業者連盟
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