国際環境NGOグリーンピース・インターナショナルは10月31日、プラスチック汚染連合及びBreak Free From Plasticsと共同で、プラスチック生産の削減と使い捨てプラスチックの段階的廃止を求める公開書簡プロジェクト「Champions Of Change」を立ち上げたことを発表した。2024年11月に韓国・釜山で開催される、プラスチック汚染対策に関する国際条約を議論する第5回政府間交渉委員会(INC5)に向けた取り組みである。
このプロジェクトには、ラッシュ(LUSH)やベン&ジェリーズ(Ben & Jerry’s)など、世界350以上の企業が賛同。日本からはリユース容器シェアリングサービスを展開する株式会社カマンのMeglooと株式会社Circloopが参加している。
Champions Of Change公開書簡は、気温上昇を1.5度に抑え、生物多様性を守る水準でプラスチック生産を制限すること、使い捨てプラスチックを段階的に廃止すること、野心的なリユース目標を設定すること、プラスチック汚染の影響を最も受ける地域社会の権利を中心に据えた公正な移行を支援することを求めている。
グリーンピースは、この書簡に署名した企業の声をもとに、プラスチックの大幅な生産削減を実現する条約の締結を目指し活動をしていく方針。
ラッシュのグローバル・サステナビリティ・コマーシャル・リードであるキャディ・ピンク氏は、美容業界が2024年に化石燃料由来のプラスチック包装廃棄物を1200億個排出すると予測される中で、国際的な目標の必要性を強調した。
新ヨーロッパ・リユース連合(New European Reuse Alliance)のフェルナンド・ロドリゲス=マタ事務局長は、リユースシステムが温室効果ガスの排出削減に寄与することを指摘。使い捨てプラスチック製品の廃止に向けた経済的インセンティブの設定を求めている。
グリーンピース・アメリカのグローバル・プラスチックキャンペーンリードであるグラハム・フォーブス氏は、企業がプラスチック生産を削減し、使い捨てプラスチックの廃止を求める声が高まっていることを述べ、先進的な考えを持つ企業の取り組みを支持する意義を強調した。
【プレスリリース】【INC5】プラ生産削減条約制定を求める公開書簡に世界350以上の企業が署名、日本企業も2社が賛同
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