自由民主党環境・温暖化対策調査会(会長・井上信治衆院議員)は4月23日、政策提言「~循環経済を国家戦略に〜」を取りまとめ、岸田文雄総理大臣に申し入れを行った。本提言は、循環経済を国家戦略と位置付け、政府全体で戦略的・統合的な取り組みの実行を求める内容。

提言では、循環経済が「資源の価値を可能な限り維持し循環的に利用する取組み」であり、廃棄物の活用と天然資源利用の最小化により、カーボンニュートラルやネイチャーポジティブに貢献するとして意義を強調。循環経済への移行を経済成長の機会と捉え、産業競争力の強化、資源制約・経済安全保障への対応、地方経済の活性化につなげ、より豊かなくらしとウェルビーイングの実現を目指すべきとしている。

戦略上のポイントとして、以下の4つを挙げる。

  1. 循環経済による産業競争力の強化、経済安全保障の確保
  2. 資源循環にも資する豊かな地域やくらしの実現
  3. 国際ルール形成への主体的関与、国内マーケットの創出支援
  4. 循環経済を国家戦略に(政府全体としての戦略的・統合的な取組み)

このうち、「循環経済による産業競争力の強化、経済安全保障の確保」については、「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律案」の成立の際、各都道府県の認可から国一括認定に手続を緩和する事業を3年で100件以上認定すること、使用済太陽光パネルのリユース・リサイクルの促進のための法案を次期通常国会に提出すること、レアメタルを含む電子スクラップ(E-scrap)のリサイクル処理量を2030年に約50万トン(2020 年比5割増)に増加させるため国際資源循環体制を強化することなど、具体的な時期や数値目標を盛り込んでいる。

また、「資源循環にも資する豊かな地域やくらしの実現」では、家庭から廃棄される衣類の量を2030年度までに25%削減(2020年度比)、食品ロスを2030年までに半減することを目指す。

これらの政策提言を踏まえ、第五次循環型社会形成推進基本計画や新しい資本主義のグランドデザインと実行計画の改定に取り込み、閣僚級の会議を設置することを政府に対し求めた。

【プレスリリース】環境・温暖化対策調査会 政策提言 「~循環経済を国家戦略に~」
【参照記事】環境・温暖化対策調査会 政策提言 「~循環経済を国家戦略に~」ポイント
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(※画像の出典:自由民主党)