株式会社メルカリが運営するメルカリ総合研究所はこのほど、全国の18歳から69歳の1030名を対象に「世代別の消費行動・資産認識」に関する調査を実施した。

調査は慶應義塾大学 商学部 山本晶教授が監修し、2023年7月11日と12日の2日間、インターネットにて実施した。

個人間取引の市場は継続的に成長しており、経済産業省は2021年の個人間EC(CtoC-EC)の市場規模は2兆2121億円(前年比12.9%上昇)と推定している。

こうしたなか、同研究所はフリマアプリの登場による消費行動の変化に焦点を当ててこれまで調査を実施してきたが、今回はZ世代に焦点を当て、他世代にはない消費行動や意識を検証した。調査における世代の定義は、Z世代18〜24歳、ミレニアル世代28歳〜43歳、バブル世代54〜58歳だ。

調査の結果、Z世代の約2人に1人が「自らの持ち物は現金化しやすい」と考え、「家にある自分の持ち物を売ることを想定して買い物したことがある」ことがわかった。調査の主な結果は、次のとおり。

フリマアプリ利用率は56.6%で、世代別ではZ世代が64.1%、ミレニアル世代が60.2%、バブル世代が51.6%だった。「新品購入時に再販の価値を考える」と回答したのは、Z世代で59.1%、フリマアプリ利用者全体では52.4%。

51.5%のZ世代が「自らの持ち物は現金化しやすい」と回答、これはバブル世代と比べて約2.8倍高い。Z世代の62.9%は、フリマアプリの出品理由として「売ったお金で欲しいモノを購入するため」を挙げた。全世代では、「使わなくなったので、欲しいと思う人に使ってもらいたいから」が最多で64.3%だった。

Z世代が“資産”としてみているモノは、金融商品、ゴールド・宝石、不動産。他の世代と比べてZ世代が“資産”としてみている傾向が強いモノは、暗号資産、アクセサリー、靴・スニーカーであった。

山本晶教授は、今回の調査で「売ることを前提に買う、所有するモノを資産と捉えて買い物するという新しい消費者行動が、Z世代を中心に顕著になっている」と強調。所有するモノが消耗品でも資産とみる消費者が登場しているとし、フリマアプリやオンライン買取などの登場と普及は所有物の売却を簡便化し、資産としての流動性を高めていると考えられるとの見解を示した。

中古品の購入経路におけるオンラインチャネルの役割については、メルカリ傘下の米Mercari, Inc.も言及している。Mercari, Inc.は、米国におけるオンラインチャネルは最も急成長している中古品の購入経路で、2031年までに再販市場全体の56%を占めると予測している。

【プレスリリース】「世代別の消費行動と資産認識」に関する調査
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*冒頭の画像の出典:株式会社メルカリ