三井化学株式会社は4月8日、「素材の素材まで考える」と「世界を素(もと)から変えていく」をキーメッセージとして、2つの新ブランドを開始した。新ブランドは、温暖化問題解決を目指して社会のバイオマス化を進める「BePLAYER™(ビープレイヤー)」と、廃プラなどの廃棄物を再利用する取り組み「RePLAYER®(リプレイヤー)」である。
同社は両ブランドにより、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミー社会の実現に向け、バリューチェーンを通してグループ横断的なソリューション提案を進めるとともに、サステナブルを超えたリジェネラティブな社会の実現を目指す。ブランドパーパスは、「素材の素材から世界を刷新し、リジェネラティブなライフスタイルを実現する」だ。
長期経営計画VISION 2030において同社は、「未来が変わる。化学が変える」を目標に掲げ、「変化をリードし、サステナブルな未来に貢献するグローバル・ソリューション・パートナー」となるべく活動している。さまざまな製品素材を提供するメーカーとして、化学・科学的なアプローチで「作る責任」に応え、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミー社会の実現に貢献していく必要があるとしている。
両ブランドの概要は、以下のとおり。
BePLAYER™
温暖化問題解決を目指して社会のバイオマス化を進める取り組み。マスバランス(※1)方式によるバイオマス製品、セグリゲーション(※2)方式によるバイオマス製品、カーボンニュートラルに貢献する製品・技術の展開を進め、温室効果ガス排出量削減に大きく貢献することを目指す。
RePLAYER®
廃プラなどの廃棄物を再利用していく取り組み。マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクル・横断的連携などの取り組みを進め、新素材・リサイクルシステム・バリューチェーンの開発を通じて、サーキュラーエコノミー移行を目指す。
同社はこれまでも、ブロックチェーン技術による資源循環プラットフォーム構築や、プラ産業のDX貢献を目指すコンソーシアム設立など、サーキュラーエコノミー移行に向けた取り組みを他組織と共同で展開してきた。今回の新ブランドにおいて、石油ナフサからバイオマスやリサイクル資源を原料とした新たな化学品事業を開始することで、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミー社会の実現に向け、さらなる貢献を目指すとしている。こうした新技術を利用したイノベーションで、環境負荷削減とサーキュラーエコノミー移行において日本企業が世界を牽引していくことが期待される。
※1 マスバランス方式(物質収支方式):認証済みの手法で、入口のバイオマス原料の割合を「出口」の製品に割り当てる方式のこと
※2 セグリゲーション方式(分離方式):石油由来の原料と分離して保管・管理されたバイオマス原料を使用したバイオマス製品のサプライチェーン管理方式のこと
【プレスリリース】バイオマスとリサイクルのソリューションブランドBePLAYER™/ RePLAYER®を立ち上げます
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*冒頭の画像の出典:三井化学株式会社