服飾資材商社のモリト株式会社(以下、モリト)は1月14日、環境配慮型の新製品の開発と販売に向けた取り組み「C.O.R.E.(コア)」を始動することを発表した。製品の製造過程における環境に配慮したプロセスの採用や、海洋プラスチック問題の一つといわれている廃漁網を原材料とする服飾資材を展開する。同社は、C.O.R.E.を基盤に地球環境保護に寄与することで、サステナブルな社会の実現に貢献していく意向だ。

C.O.R.E.は、サステナブル・エコフレンドリー商品のなかでもより環境への配慮に特化し、原料あるいはプロセスについて同グループが規定したC.O.R.E.基準を順守した商品のみに使用するブランドだ。モリトグループの環境への取り組み(Committed to Our Resources and Environment)を意味するC.O.R.E.は、美しい地球と限りある資源を未来につなげる包括的なアプローチを採用していく。

モリトは2020年1月に発表した第8次中期経営計画のなかで、SDGsの達成に向けて具体的な行動を起こしていくことを示した。C.O.R.E.ではSDGsの以下の3つの目標に対して取り組みを進める。

  • 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 目標12:つくる責任 つかう責任
  • 目標14:海の豊かさを守ろう

環境省が2016年度に行った漂着ごみのモニタリング調査によると、海洋漂着プラスチックごみの種類別割合の40%以上が漁網・ロープであり(※)、こうした廃漁網は海洋生物を傷つけている。この現状に対して、モリトは行動を起こしていきたいと考える。同社は、環境問題への高い意識を持つアパレル業界をはじめ、社会全体に対して環境に配慮した製品を提案することは、業界全体の前向きな動きに寄与し、サステナブルな社会の実現につながるとみている。

モリトは、同社グループ会社であるモリトジャパン株式会社(以下、モリトジャパン)と資源再生事業のリファインバース株式会社(以下、リファインバース)の協業により、廃漁網をリサイクルした素材「リアミド」でつくった服飾パーツの展開を開始する。モリトジャパンは2020年3月より、リファインバースとともに、リアミドを使用したボタンなどのアパレル向け資材の用途開発を進めてきた。リファインバースは、日本で初めて使用済み廃漁網を中心としたナイロンリサイクル事業を立ち上げ、海洋漂着プラスチックごみ問題の解決に取り組んでいる。

モリトは今後、顧客の要望に合わせたさまざまな商材の開発を進め、世界的に事業展開する同社の経験とネットワークを活かして独自のものづくりを追求しながら、地球環境問題にも責任を持って取り組んでいくとしている。

冒頭の画像は、廃漁網をリサイクルしてつくった服飾パーツ(出典:モリト株式会社)

※:海洋ごみをめぐる最近の動向より

【プレスリリース】環境配慮型の商品開発等の取り組み「C.O.R.E.」始動のお知らせ
【プレスリリース】服飾資材商社のモリト サステナブルな社会の実現を目指し環境配慮型の商品開発等の取り組み「C.O.R.E.」(コア)をスタート
【参照サイト】C.O.R.E.
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