仏化粧品大手ロレアルの日本支社である日本ロレアル株式会社(以下、日本ロレアル)はこのほど、廃棄物管理のテラサイクルジャパン合同会社(以下、テラサイクル)と包括的連携を締結したことを発表した。化粧品空容器の回収を全事業部で開始し、日本市場で消費者を巻き込んだ循環型社会の実現を目指す。

同連携は、2020年6月に発表されたロレアルグループが推進する新たなサステナビリティプログラム「ロレアル・フォー・ザ・フューチャー」の一環として実施され、最初の3年間は日本ロレアルが展開する主要12ブランドが参画し、空容器回収を随時開始する。

あらゆる顧客の需要に応えるポートフォリオをそろえ、最高の製品と独自のブランド体験を提供するとしているロレアル リュクス事業本部では、2021年上半期に主要ブランドにて回収を開始する予定だ。同事業本部では、すでにスキンケアブランドのキールズ事業部がテラサイクルと提携して空容器を回収していたが、今回の包括的連携を機に同事業本部が展開する主要ブランドへ取り組みを拡大する。

コンシューマー プロダクツ事業本部が展開するメイベリン ニューヨークでは、2021年内の回収開始が計画されているほか、美容室向け商品を取り扱うプロフェッショナル プロダクツ事業本部では、取引先サロンの使用済みカラーチューブ回収活動の実証実験に向けて準備を開始する。臨床皮膚医学に基づくスキンケアブランドのラロッシュ ポゼを展開するアクティブ コスメティックス事業部は、2021年内の回収開始を計画しており、日本ロレアルの全事業部がテラサイクルとの取り組みに参画する予定だ。

日本ロレアルの代表取締役社長であるジェローム・ブリュア氏は、「このたびのテラサイクルとの取り組みは、当社がサステナブルな社会の実現に寄与する大変重要なマイルストーンです。リサイクル分野を牽引するテラサイクルとの協働を基盤に、当社の商品をご愛用くださっているお客様の協力を得て、この取り組みが地球の未来に貢献する前向きな変化になると確信しています」と述べている。

テラサイクルジャパンのアジア太平洋統括責任者であるエリック・カワバタ氏は、「日本ロレアルは2014年に、国内ならびにアジア地域で初となる当社のビューティーリサイクルプログラムの広告主になっていただきました。使用済み容器を活用する資源循環型ソリューションでお客様の購入プロセスを拡張し、持続可能な代替策を提供しようとする日本ロレアルの取り組みは、業界の規範となるべきものだと思います。当社はロレアルのサステナビリティにおける先進性に感銘を受けるとともに、日本での協働によりプラスチック廃棄物に着目してそれをリサイクルし、さらにサーキュラーエコノミーを牽引するという取り組みをともに広げていけることを嬉しく思っています」と語っている。

ロレアル・フォー・ザ・フューチャーについて

「地球の限界(プラネタリー・バウンダリー)」に基づき、気候・水・生態系・自然資源などすべての影響に関して新しい定量的な目標値を導入し、事業の変革を目指す2030年に向けたサステナビリティプログラム。同目標値は、ロレアルの直接的な取り組みにとどまらず、供給業者から消費者までを網羅するものだとしている。

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