日本製鉄株式会社は2月28日、着色高耐食めっき鋼板「スーパーダイマ®GB」を発売した。高耐食めっき鋼板スーパーダイマの後処理において、顔料を用いて着色しためっき製品だ。顧客の塗装工程を省略でき、コストダウンに繋がると同時に、塗装工程で排出されるCO₂の100%削減が見込まれるという。2024年4月に受注を開始、6月頃に出荷を始める。

鋼板に着色する場合、通常は焼付塗装を施す。焼付に必要な熱源としてガスなどを燃焼させる他、塗料製造や設備稼働のための電力製造において、CO₂が発生する。これらのCO₂は、日本製鉄の顧客におけるSCOPE 1・2(外注塗装の場はSCOPE 3)に定義付けられる。

カーボンニュートラル社会の実現に向けて各社のCO₂排出量削減努力が求められる中、今回発売されるスーパーダイマGBは、めっき鋼板製造時に着色しているため、CO₂排出量の削減に貢献するという。

色調は、電設資材の標準色の一つであるマンセル値「5Y7/1」近似色とし、配電盤・ケーブルラック・バスダクトなどの需要を見込む。商品名称の「GB」は、マンセル値「5Y7/1」近似色を表現した「グレイッシュベージュ(Grayish Beige)」の頭文字を用いた。

同社が各需要分野向けに実施したテスト販売では、従来の方法(酸洗鋼板に塗装するもの)と比較して、おおむね違和感がないという評価を得たという。また、同社でも製鉄所における設備新設・更新に伴う配電盤設置工事において、積極的に採用する方針だ。

なお、組立加工時には溶接を回避することが必要なため、同社は代替手段としてリベット接合などを推奨している。

同社は、本商品を、社会におけるCO₂排出量削減に寄与する高機能製品・ソリューション技術を総称する自社ブランド「NSCarbolex® Solution」の対象商品の一つに加え、販売していく。

【プレスリリース】塗装工程の省略によるCO2削減を実現する新商品着色高耐食めっき鋼板「スーパーダイマGB」の発売について
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(※画像の出典:日本製鉄株式会社)