株式会社オカムラは、森林整備などの際に発生する不要な樹木や切り捨て材のうち「未利用材」を回収・チップ化・成型して製品に活用する取り組みを展開している。

同社はこのほど、エースジャパン株式会社と協業し、国内の未利用材やダムにたまった流木などを活用した製品を開発した。新製品は、クリエイティブファニチュア「SPRINT(スプリント)」のテーブルの天板として使用し、2022年11月に発売する。

未利用材について、株式会社オカムラは以下の見解を示した。森林の手入れや木を伐採する際に発生する未利用材は、森林に残されていると木材搬出の妨げになったり、台風や大雨の際に下流域へ流れ出たりするなど、さまざまな危険性がある。未利用材の活用は森林整備に寄与するとともに、災害時の流木などによる被害の防止をはじめとする社会課題の解決にもつながる。

今回の取り組みでは、未利用材の低質材・根元部・曲がり材・枝・葉など、これまで家具に使われてこなかった部分を活用する。今後、地産地消を目指し、未利用材を活用した製品をオフィスおよび学校用などに展開していく意向だ。株式会社オカムラは、「オカムラグループ 木材利用方針」に基づく製品開発を進めており、生物多様性の保全・木材の合法性の確保・森林認証材や国産材および地域材の利用など、森林資源の持続可能な利用を推進している。

同社は「サーキュラーデザイン」思考にもとづき、企画・設計・調達・製造・販売・維持・リユース・リサイクルまでの製品ライフサイクルにおいて、資源をより長く有効に使用し、廃棄物の発生を最小化することを目指している。2021年4月には、全事業活動における環境負荷低減を目指し、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明している。

森林整備などの際に発生する間伐材を利用する取り組みは、さまざまな分野で進められている。こうした間伐材の利用が山林保全および循環型社会構築に貢献していくことが期待される。

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*冒頭の画像の出典:株式会社オカムラ