オリックス株式会社およびオリックス環境株式会社は6月2日、集合住宅などの改修工事や解体工事で廃棄されるアルミサッシの水平リサイクルを開始した。同グループがすでに取り組んでいる窓ガラスの水平リサイクルと合わせ、アルミ窓全体の水平リサイクルが可能となる。

今回の取り組みでは、リサイクル事業者であるオリックス環境が解体業者やリフォーム業者から使用済み窓を回収し、アルミサッシとガラスに分離する。分離されたアルミサッシは、金属加工業者による高度選別工程を経て、サッシメーカーがリサイクルアルミとしてサッシ製造に再利用する。一方、ガラスは、カレット業者によりカレット(ガラス端材)として精製・品質確認された後、ガラスメーカーが新たな建築用板ガラス製造の原料として使用する。

日本アルミニウム協会によると、リサイクルアルミの利用は、天然鉱石を必要とせず、精錬に必要なエネルギーも大幅に削減できるため、製造時のGHG排出量を約97%削減することが可能だ。また、ガラス製造においても、カレットを使用することでバージン原料と比較して低温での溶解が可能となり、製造工程におけるGHG排出削減に寄与する。

オリックスグループは、2025年3月25日にはAGC株式会社と共同で、国内初となる窓ガラスの水平リサイクル事業のスキーム構築を発表しており、今回のアルミサッシへの展開はこれを補完するものだ。今後は、建設・製造・環境分野などの多様な企業と連携しながら、このアルミ窓全体の水平リサイクルスキームの全国展開を推進していく方針だ。

オリックスグループは、戦略的投資領域の一つとして「地球温暖化・限りある資源」をテーマに掲げ、サーキュラーエコノミーの実現を推進している。今回の取り組みもその一環であり、多様な専門性や企業ネットワークを生かした企業間連携のスキーム構築とマネジメントを通じて、循環型社会の実現への貢献を目指す。

【プレスリリース】アルミ窓全体の水平リサイクルを実現
【参照記事】一般社団法人 日本アルミニウム協会「アルミニウム VISION 2050」
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