株式会社オールユアーズはこのほど、衣服を循環させてごみを生まない仕組み「環す(まわす)」を開始した。

「環す(まわす)」は、以下のように機能する。

  1. 使用済みの同社製品の回収・修理・再販売により製品寿命を伸ばし、次の使い手に渡す
  2. 寿命を迎えた衣服は、磁力を利用して有機物を分解処理し、一日最大300kgの衣服を約200分の1の容積に減少させ、陶磁器・衣類・セメントなど次の製品の原材料として再生利用する

同仕組みが目指す未来について、株式会社オールユアーズは下記のように発表した。

  • 消費者にとって:愛着のあるモノをできるだけ長く使い、それでも使わなくなったら環す。長期的にモノを買う必要性を減らし、モノを捨てなくていい未来を目指す
  • 生産者にとって:つくったモノに最後まで責任を持つ。使用中・使用後まで、生産者がモノに責任を持てる未来を目指す
  • 地球環境にとって:二酸化炭素の排出や廃棄物の削減など、できるだけ地球環境への負担を少なくする未来を目指す

「環す(まわす)」は衣類だけでなく、さまざまな業種や製品に展開できる仕組みであり、他業界・製品での使用に向けて現在準備を進めているとしている。説明会実施や設備見学も可能で、同社は問い合わせを受け付けている。

実用性と普遍性をもつ道具としての服を提案している同社の服の特徴は、シンプルな見た目・抜群の着心地・ケアの簡単さで、代表作は「着たくないのに、毎日着てしまう」シリーズのジャケットとパンツであるとしている。

日本では衣類のリユース・リペア・リサイクルの割合は約26%(2009年)で、残りは焼却もしくは埋め立てられているなど、アパレル業界による環境負荷は大きい。こうした課題に対して、製品の全ライフサイクルで循環を図るさまざまな取り組みが現在進められており、環境・社会・生産者の人権に配慮した商品に対する消費者の潜在的需要も報告されている。消費者・生産者・利害関係者・行政が一体となって、このような取り組みを推進していくことが望まれている。

【プレスリリース】回収から再販売、再生利用まで。オールユアーズが衣服を循環させ、ごみを生まない仕組み「環す(まわす)」をリリース。
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*記事中の画像の出典:株式会社オールユアーズ