フィリピン環境天然資源省(DENR)はこのほど、プラスチック廃棄物に対処し、循環型経済への移行を加速するためのプラットフォーム「National Plastic Action Partnership(NPAP)」を発足した。政府、民間部門、市民社会、学界、開発団体のリーダーが協力して、プラスチック汚染に関する分析を行った上で、行動ロードマップを作成する。
フィリピンではプラスチック廃棄物が年間約270万トン発生しており、海への流入が問題になっている。NPAPは、現状と課題を把握するためのプラスチックベースライン分析を行い、国家の優先事項に沿った根拠に基づく戦略となるプラスチック行動ロードマップを策定する。
ロードマップは、ジェンダーとソーシャルインクルージョン戦略を統合し、非公式の廃棄物収集者を含む疎外されたグループを循環経済への移行に含む。NPAPは、社会の多様なセクターを結集してイノベーションを推進し、実行可能な戦略を実施、フィリピンの循環経済移行と包括的で持続可能な開発を目指す。
DENRのマリア・アントニア・ユロ・ロイザガ長官は「プラスチック廃棄物問題は生物多様性にリスクをもたらし、生活手段を損ない、公衆衛生を脅かすなど、多大な経済的コストを課しています。NPAPは、プラスチック廃棄物をリスクではなく、機会と見なす循環経済への移行をもたらすでしょう」と述べた。
プラットフォームの取り組みは、国家政策であるフィリピン開発計画、拡大生産者責任法(EPR)、持続可能な消費と生産のためのフィリピン行動計画、気候変動に対する国が決定する貢献(NDCs)と整合的な内容となる。
国連開発計画(UNDP)は、NPAPに協力し技術と運用を支援する予定で、ロードマップ策定を監督し、包括的なパートナーシップを育成し、NPAPの目標に向けた進捗状況を監視する。UNDPのほか、世界経済フォーラム(WEF)のグローバル・プラスチック・アクション・パートナーシップ(GPAP)、英国政府、カナダ政府、コカ・コーラ財団がNPAPを支援する。
【プレスリリース】Philippines Launches National Plastic Action Partnership to Tackle Plastic Waste and Advance Circular Economy | United Nations Development Programme
【関連記事】環境省、2023年度の日本の海洋プラスチックごみ流出量の推計を公表
