RadarLab株式会社はこのほど、株式会社サトー、および株式会社ナカダイホールディングスと協業し、資源循環のためのデジタル製品パスポート(DPP)を基盤とした社会実装モデルの創出に取り組むと発表した。この協業は、欧州の拡大生産者責任(ESPR)や日本のウラノス・エコシステムといった国内外の政策動向を背景に、サプライチェーンの透明性確保と資源循環促進という社会的な要請に応えるものだ。

本取り組みでは、製造を担うサトー、資源循環の知見を持つナカダイ、そしてDPPデータ連携基盤を構築するRadarLabという各分野で強みを持つ3社がそれぞれの専門性を結集する。サトーはメーカーとしてプリンターにDPP情報を実装し、製造情報を記録するとともにトレーサビリティシステムを提供する。ナカダイはプリンターの解体・リサイクルを担当し、その工程データや素材情報をDPPに反映させ、再資源化の現場で得られる知見を提供する。RadarLabはDPPの知見に基づき、実証実験の設計支援やデータ連携基盤となるシステム(DPPaaS)を構築・提供し、製品のライフサイクルにおけるすべての情報を集約する役割を担う。

デジタル製品パスポート(DPP)とは、製品に関するあらゆる情報をデジタルデータとして一元管理・共有できる仕組みだ。製品ごとに個別IDを割り当て、QRコードやNFCタグで情報にアクセスできるようにすることで、ライフサイクル全体を可視化する。これにより、再生資源の信頼性を高め、持続可能な社会の実現に不可欠な仕組みとなる。
本協業を通じて、まずはサトー製プリンターを対象にDPPの有効性を検証する。将来的には、業界横断でのデータ連携と、社会実装に資する運用モデルの構築を推進していく方針だ。

株式会社サトーは、バーコードやRFIDなどに代表される自動認識技術を用いて、リアルな世界のあらゆるものを情報化し、現場ごとに最適な課題解決の仕組みを提供するグローバル企業グループだ。株式会社ナカダイホールディングスは、総合リサイクル業として長年リサイクル率99%を実現する株式会社ナカダイを中心に、資源循環ビジネスのコンサルティングや運送・運搬サービスを展開し、“サーキュラーエコノミーをビジネスで実現する”企業グループだ。RadarLab株式会社は、資源循環データから多様なビジネスを展開可能な「Meguru-X」を開発しており、データスペース技術を基盤に、資源循環データ収集・可視化、再生資源マーケットプレイス、デジタルプロダクトパスポート(DPP)など様々なビジネスアプリケーションを提供している。

【参照プレスリリース】RadarLab、サトー、ナカダイが協業、デジタル製品パスポート活用による資源循環モデル構築を推進
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