世界的なプラスチック削減への要請を受けて、企業の間ではプラスチックを別の素材に切り替える動きが広がっている。こうした中、英国を中心にプラスチックリサイクルを推進する専門家組織であるRECOUPは、プラスチックからの素材切り替えに際して、環境負荷を最小限に抑えながら環境再生効果を最大化させるために必要な取り組みをまとめた事例集「Recyclability By Design 2022」を公開した。

RECOUPのPackaging Project ManagerであるKate Bedford氏は「プラスチックから素材を切り替える際、ブランドオーナーとパッケージデザイナーは何に取り組むべきか気づく必要があり、本レポートにはそれらが記されている」とコメント。同 Packaging, Recycling and DesignヘッドのPaul East氏も「プラスチックから素材を変更することによって持続可能性やリサイクル率の改善をうたう企業が増えているが、実際にはそうなっていない取り組みをも改善につながっていると消費者に信じ込ませている事例もある」と付け加えた。

事例集「Recyclability By Design 2022」は、プラスチックのユーザーやデザイナーに対して、リサイクル可能なデザイン原則を適用して、消費者に対して容器包装がリサイクル可能であると適切に伝えられるよう取りまとめられている。リサイクル性や循環性の向上につながらない素材変更の事例を取り上げており、とりわけラミネート紙のボトルやトレーなど複合素材のパッケージについて言及している。さらに、現状で適切にリサイクルされている容器包装であれば、あえて素材変更する目的に対して疑問を呈している。

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【参照サイト】RECOUP QUESTION THE GROWING TREND FOR MATERIAL SWITCHING
https://www.recoup.org/news/8196/recoup-question-the-growing-trend-for-material-switching