株式会社リコー(以下、リコーグループ)はこのほど、ステークホルダーとの対話を深めることを目的として、「リコーグループ サーキュラーエコノミーレポート2021」を発行した。同レポートは、2021年1月に経済産業省・環境省が公表した「サーキュラー・エコノミーに係るサステナブル・ファイナンス促進のための開示・対話ガイダンス」に沿った日本企業初(リコーグループ調べ)のサーキュラーエコノミーをテーマとしたものだとしている。概要は、以下のとおり。
概要
約30年間の循環型社会の実現に向けた取り組みの全体像
1976年に環境推進室を設立、1992年に「リコー環境綱領」制定。1994年に循環型社会実現の概念として「コメットサークル™」を制定、2017年にRE100に日本企業として初加盟。2018年にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)賛同表明、2019年にTCFDフレームワークに沿った情報を開示。
経済産業省・環境省のガイダンスに基づき、方針・戦略およびリスク・機会の観点で整理
- 方針・戦略:循環型社会実現のためのコンセプト、省資源分野の目標と達成に向けたアプローチ
- リスク:資源の枯渇に伴う資源価格の高騰・変動幅の拡大、製品使用後の不法投棄による機密情報の漏洩と環境汚染、サーキュラーエコノミー潮流への対応遅れ
- 機会:製品再生・部品再生事業、新規事業の創出
事業化の具体事例や今後の将来財務を生み出す循環型事業への挑戦を記載
- 事業化の具体事例:資源の有効活用、国内外での使用済み製品の回収・リユース・リサイクル促進、製品の省資源目標の策定と推進
- 今後の将来財務を生み出す循環型事業への挑戦:2050年に製品の新規資源使用率を12%以下にすることを目指し、省資源活動や再生材の積極的な利活用を推進している。例)新規製品開発、既存製品の改良(製品の小型軽量化)、製品・部品の再生の推進やプラスチック回収材を搭載した製品・提供の増進
サーキュラーエコノミーへの関心の高まりとともに、資源消費に依存しない事業モデルの重要性が増しているなか、循環型社会の実現に向けた取り組みは、他の企業や団体との協働が必須であるとリコーグループは考える。リコーグループは、所有する技術を発展させ、ステークホルダーと共にコメットサークルの概念に基づいて循環型社会に貢献する新たなサービス・技術を提供していく意向だ。
今後、より多くの企業が取り組みを見える化し、ステークホルダーへの情報開示を通じてサーキュラーエコノミーを推進していくことが期待される。
【プレスリリース】「リコーグループ サーキュラーエコノミーレポート2021」を発行~経済産業省・環境省のガイダンスに沿った日本企業初の報告書~
【参照レポート】リコーグループ サーキュラーエコノミーレポート2021
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