双日株式会社(以下、双日)は1月15日、世界最大級のIT Asset Disposition(以下、ITAD)事業者であるTESグループの日本支社TES-AMM JAPAN株式会社(以下、テスジャパン社)に出資したことを発表した。

ITADとは、中古IT機器や廃電子基板などのIT資産のデータ消去後の有効活用のことで、特に再利用・再資源化を指す。TESグループは、使用済みIT機器の増加がもたらす環境負荷や情報漏洩リスクの高まりを受けて、社会で重要度が増している環境・データセキュリティに特化して事業展開するITADの専門サービスプロバイダーだ。現在、世界20カ国に約40拠点を有し、グローバル企業が各地に構える拠点に対して一律に高品質なサービスを提供している。テスジャパン社は、日本初となるDDRT(Data Destruction Recycling Truck※)を導入し、顧客の敷地内で安全にサービスを提供できる体制を構築している。

商社における資源事業は、従来は上流権益である鉱山投資が主流だったが、昨今の資源の枯渇懸念や偏在性を踏まえ、今後は資源リサイクル事業の重要性がより高まると双日は認識する。そこで、今後資源の調達源として期待される都市鉱山において、金属・資源総合リサイクル事業の確立を図るべく、今回の出資を決定した。

双日は、出資によりテスジャパン社と共同で日本企業へのITADサービスの導入を図り、テスジャパン社が提供する世界基準の電子機器ライフサイクルマネージメントサービス(電子機器運用管理)を通じて顧客のデータセキュリティ向上に貢献していく意向だ。同時に、IT機器の適切な再利用・再資源化を普及促進することで、サーキュラーエコノミーの実現に寄与していきたいとしている。また、TESグループが推進するリチウムイオンバッテリーリサイクル事業および蓄電池事業においても双日の広範なネットワークを活用し、社会需要に応えるサステナブルな事業の構築をともに進めていく考えだ。

※:2センチの厚みのある鋼鉄のハードディスクドライブでも、顧客の敷地内において最小2ミリで破砕することでデータセキュリティを高められる、出張型の記憶メディア破砕サービス。顧客の敷地内でデータを消去するため、データ漏洩のリスクを最小限にできる。

【プレスリリース】双日、世界最大級のグローバルIT Asset Disposition事業者であるTESグループの日本拠点に出資
【参照サイト】出張HDD SSD TAPE 破砕サービス