岐阜県に本拠を置くベンチャー企業である株式会社テーラーバンクは11月1日、洋服のアフターケアを一括管理するB to BのWebシステムを開始した。

同システムは、汎用性が高くB to Bサイト事例が国内でも増加しているECプラットフォームであるShopifyを活用している。顧客の情報管理やマーケットツールとの連動など多様なデジタルオペレーションにリンクでき、商品開発・改善に役立つとともに、店舗スタッフの作業効率も向上するとしている。

株式会社テーラーバンクは、同システム開始まで以下の3段階で取り組みを実施してきた。

  1. お直しデータのデジタル化対応とテーラーバンクの設立:消費者の体型や数値データのデジタル化などに取り組み、専門工場を設立し、高度な技術が必要なスーツなどの仕立て直しの多量対応を可能にした
  2. 商品購入後のアフターケアを一元化:各社と提携し、お直しから個別宅への配送まで商品購入後のアフターケアを一元化し、サービスを拡充した
  3. Webシステムの導入:一元化サービスのさらなる展開を目指し、Webシステムを構築した。たとえば、お直しのメニューに加え、クリーニングや預かりサービスをオンライン上で選択入力すると、仕上がった商品の発送可能日を指定できる

同社が提供するアフターケアサービスは、最終的にはリサイクル・再利用・再販・廃棄に至るまでの責任を持つことに加え、以下を目指している。

  • 既存の洋服のお直しサービスをDX化し、新しい産業化を目指す
  • 生産者と消費者の間に立ち、衣類の長期利用を促進する
  • 高い技術を持つシニアや子育て中の人材を積極的に雇用し、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する

洋服の一元化されたアフターケアサービスのそのほかの例としては、欧州最大級のファッション通販サイトである独Zalandoがベルリンで実証実験を開始した「Care&Repair」がある。同実証において、Zalandoは衣服の長寿命化を目指し、手入れや修理の注文を受け付けるプラットフォームと配送サービスを提供し、地元の小規模な仕立て屋・靴屋・靴磨き屋が製品の手入れと修理を実施する。テーラーバンクが公表しているとおり、効率向上・トレーサビリティ確保のためのサービスのDX化が必要となるだろう。

【プレスリリース】いま注目のお直しサービスをデジタル化した岐阜発ベンチャーがさらに進化 洋服のアフターケアを一括管理するWebシステムが始動
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*冒頭の画像の出典:株式会社テーラーバンク