環境省は3月27日、「今後の里海づくりのあり方に関する提言」を公表した。有識者らによる「今後の里海づくりのあり方検討会」にて、2024年9月から4回にわたり開催された議論を踏まえ、閉鎖性海域における環境保全と地域資源の利活用を両立させる「里海づくり」の方向性を整理したものである。
「里海」とは、人の関与を受けながらも生物多様性が確保され、生物生産性が高まった沿岸海域を指す。
今回の提言では、気候変動や開発、汚染による海域環境の変化が進行する中で、藻場・干潟の保全と再生、地域資源の持続的な活用、そして多様な主体の参加による協働体制の構築を柱に据える。特に、科学的知見に基づく施策立案とモデル地域支援を通じた具体的実践の促進が求められている。
この方針は、環境省が2022年度から推進している「令和の里海づくり」モデル事業の成果と課題をもとに導かれた。モデル事業は、地域ごとの特性に応じて、藻場再生や沿岸保全活動、地域住民の参画を支援する取り組みである。
環境省は今後、情報共有の場や科学的知見の提供を通じて、戦略的な里海づくりに取り組む方針だ。
【プレスリリース】「今後の里海づくりのあり方に関する提言」の公表について
【参照記事】里海とは?
【関連記事】伊勢志摩・英虞湾の里海から、人と自然の共生とよりよい巡りを考える「サーキュラー・ツーリズム」―E4Gレポート
【関連記事】佐渡市・新潟大学・NTTデータ、佐渡島自然共生ラボを開設。自然共生型の経済発展を目指す
【関連記事】【旅と海ごみトーク Vol.1】アムステルダムと福山が、サーキュラーデザインで出会ったら? ~海とデニムとツーリズム

HEDGE GUIDE 編集部 サーキュラーエコノミーチーム
Circular Economy Hub 編集部は、国内外のサーキュラーエコノミーに関する最新ニュースから法規制動向、大企業やスタートアップ企業の取り組みなどを幅広くリサーチし、ニュースとしてお届けしています。