株式会社高島屋と子会社である東神開発株式会社は11月7日、循環型社会のターミナルとなることを目指して、11月25日に玉川髙島屋ショッピングセンター(東京都世田谷区)の西館3Fに「Depart de Loop Port(デパート デ ループ ポート)」(冒頭写真)を設置することを発表した。

この新しい回収BOXは、不要となった衣料や雑貨などの回収後の循環先を来客者が選択する参加型のシステムを採用している。「衣料へのリサイクル」「衣料以外へのリサイクル(繊維培地や土壌改良剤への転換)」「衣料・雑貨のリユース」など、回収された衣料や雑貨が進む循環先を、生活者自身が選ぶことができるのだ。

たとえば、循環先のひとつである「BRING(ブリング)」は、独自のケミカルリサイクル技術を使用し、ポリエステル素材を新たな衣料原料として再利用。「PASSTO(パスト)」では、まだ使用できる衣料や雑貨を選別し再流通させている。

また「PLUS∞GREEN PROJECT(プラスグリーンプロジェクト)」は、ポリエステル繊維をリサイクルして、TUTTI(トゥッティ)という培地へと転換。「CIRCULAR FARM(サーキュラーファーム)」は、「衣」から新しい「食」への循環をコンセプトに、衣類を土壌改良剤等として再利用させる。

玉川髙島屋ショッピングセンターでは、施設内の廃棄物管理も強化している。11月15日には「リサイクルファクトリー」が「リサイクルステーション」(下写真)にリニューアル。「透明性」をテーマに、分別ルームの見える化と廃棄量のデータの可視化が推進されている。

例えば、コロナ禍で使用されたアクリル板512kgを再利用することで、分別作業の透明性向上に取り組んでいる。また、テナントごとに廃棄物の量を可視化するため、次世代計量管理システムpoolを導入。リサイクル率の向上を目指す取り組みが進められている。

さらに同ショッピングセンターは、施設従業員だけでなく地域住民にも環境教育を提供する予定だ。2025年3月には、近隣の小学校高学年を対象とした環境教育プログラムを実施予定で、サーキュラーエコノミーや廃棄物削減の重要性について学ぶ機会を提供する。

玉川髙島屋ショッピングセンターは、循環型社会の実現に向け、施設内でのリサイクル活動や環境教育プログラムを通じて、今後も持続可能な社会づくりに取り組んでいく方針だ。

【プレスリリース】【玉川髙島屋S・C】SDGs に向けた活動 循環先を選択できる回収BOXや廃棄物を可視化できるごみ分別施設を設置~循環型社会実現に向けた“参加型”の取り組みを推進~
【関連記事】衣類のリユース市場が支えるグリーンジョブと経済効果。欧州・アフリカの調査
【関連記事】大阪府とH2O、使用済衣類回収システム構築に向けた実証実験を開始
【関連記事】三陽商会、リユースを前提とした衣料回収活動を開始

写真提供:東神開発株式会社