商業施設・文化施設などの空間づくりをおこなう株式会社丹青社は、建材・装飾材などの廃番品を専門に販売するウェブサービス「廃番品セレクトショップ『フォーアース(4earth)』」(以下、フォーアース)の本格運用を4月7日に開始した。
フォーアースは、技術の進歩や流行の移り変わりにより販売中止となった建材・照明器具・装飾材などの廃番品の有効活用を目的に立ち上げた廃番品専門のECサイト。さまざまな分野の空間づくりに携わってきた同社が各メーカーと協力し、廃番品となった製品を空間デザインの視点から選別・集約することで、再度商流に乗せ、広く活用を促す構えだ。同社はこの取り組みを通じて、本業である空間づくり事業の課題の一つである産業廃棄物の発生抑制やCO2排出量削減につなげ、2030年のSDGs達成と2050年の脱炭素社会実現に貢献する意向だ。ディスプレイ業が将来にわたり持続可能な産業となることを支援するべく、活動を広げていくとしている。
取扱商品は、床材・壁紙・シート・タイル・照明器具・アートフラワーなど幅広く、メーカー各社の協力で一般販売価格に比べて割安であると同社は発表している。今後はメーカー数・種類・商品数など、順次拡大を進めていく予定だ。4月7日時点での参加メーカーは次のとおりである(五十音順。一部メーカーの商品は後日販売開始を予定)。アイカ工業(株)、(株)遠藤照明、(株)川島織物セルコン、コイズミ照明(株)、(株)サンゲツ、(株)シモジマ、大光電機(株)、田島ルーフィング(株)、東リ(株)、名古屋モザイク工業(株)
(出典:株式会社丹青社)
同社は、この取り組みの背景について次のように公表した。空間づくりに使用するさまざまな建材は、新素材の開発やデザイン創出などにより日々変化・進化し、空間デザインの発展に大きく寄与していると同社は考える。一方、生産・販売中止により廃番品となった製品が増えることは、メーカー各社およびディスプレイ業界全体の課題でもあったとみている。そこで今回、同社はメーカー各社と協力して、分散していた廃番品の情報を集約し、総合的に取り扱う新たな販売チャネルを整備することで、廃番品を再び商流に乗せることとした。製品の選定にはインテリア関連メーカー各社と空間づくりの専門家である同社が連携して空間デザインの視点を取り入れ、廃番品のより幅広い利活用を提案する意向だ。
各メーカーは同取り組みによって、倉庫での在庫管理費用の削減・最終処分する際の産業廃棄物の抑制・CO2排出量削減などが期待できるとしている。設計会社や施工会社などは、積極的に廃番品を採用することで、コスト削減に加え、SDGsおよび脱炭素社会の実現への貢献など、社会的需要への対応につながると同社は考える。
この取り組みの担当者である、同社の企画開発センターの野本康仁氏は、「フォーアースの取り組みを広げていくことは、ディスプレイ業界の課題である廃棄物削減と資源や材料の有効活用につながります。廃番品という商品の特性上、在庫に限りがあるため、少量を扱う中小工務店や内装リフォーム会社などを主なお客様として想定していますが、コロナ禍において増加したDIY志向の一般消費者の方々にも、本格的な建材の採用を広く検討いただけるようになります(※)。今後は取扱数の拡大に加え、当社の空間づくりの技術と知見を活かし、廃番品を使用した独自商品の開発やSDGsのコンサルティングを行うなど、廃番品利活用の契機である本事業の発展を推進いたします。また、2030年のSDGs達成への貢献、2050年の脱炭素社会実現に向けた積極的な取り組みを進めてまいります」と述べた。
※:一部商品の取付には専門器具や各種資格が必要な場合があり、商品購入前に専門会社へ相談するなど、同社は十分な検討を促しているとしている
【プレスリリース】丹青社、建材・装飾材等の廃番品専門EC サイト「フォーアース(4earth)」の本格運用を開始
【参照サイト】4earth