福島県相馬市・南相馬市を中心に進む循環経済圏の構築に向け、東急建設を含む4団体が新たに「廃棄物のリサイクル・再資源化技術推進に関するサーキュラーエコノミーパートナーシップ」に参画した。4月28日には福島県相馬市で締結式が行われ、パートナーシップは14団体体制へと拡大した。

同パートナーシップの前身は、2025年2月に発足した「一般廃棄物のリサイクル技術推進に関するサーキュラーエコノミーパートナーシップ」だ。相馬市、南相馬市、タケエイ、山形大学など9団体が参画し、一般廃棄物の排出抑制やリサイクル技術の実証、カーボンニュートラルに資する仕組みの社会実装を目的にスタートした。

当初の取り組みでは、「容器包装リサイクル法」対象外のプラスチックの再資源化や使用済紙おむつの再資源化実証を進め、焼却量やCO2削減量、コストなどのデータを収集。これを産業側の設備設計や製品設計に活用し、埋立ごみ削減やリサイクル率向上につなげる構想が示されていた。

こうした地域資源循環の取り組みの背景にあるのが、TREグループが福島県相馬市で進める「相馬サーキュラーパーク構想」だ。相馬市内に確保した約85,000坪の敷地を活用し、太陽光パネルリサイクル、使用済紙おむつリサイクル、焼却灰などの再資源化事業を有機的に統合する環境複合事業構想で、エネルギーと産業資源の地産地消モデルの構築を目指している。

背景には、東日本大震災や福島県沖地震などを経て顕在化した災害廃棄物対応やインフラ再整備の課題に加え、使用済太陽光パネルや高齢化に伴う紙おむつ廃棄量の増加など、地域の多様な廃棄物課題がある。従来の単一リサイクル事業ではなく、複数の資源循環事業を一体的に進めることで、地域に根差した循環経済圏を形成しようとする点が特徴だ。

その後、加盟団体の拡大に伴い、対象領域を一般廃棄物から廃棄物全般へ広げ、現在の「廃棄物のリサイクル・再資源化技術推進に関するサーキュラーエコノミーパートナーシップ」へと発展。2026年4月28日時点で14団体体制となった。

今回の東急建設による参画により、建設現場で発生する廃石膏の活用など、建設分野における資源循環の実証領域も広がった。東急建設は、2030年度を最終年度とする長期経営計画「To zero, from zero.」で脱炭素・廃棄物ゼロ・防災・減災を掲げている。今回の参画では、建設現場で発生する石膏ボード端材(廃石膏)を土壌改良資材として農業に活用する仕組みづくりを相馬・南相馬エリアで進める方針だ。

自治体、企業、大学、金融機関などが連携し、地域を実証フィールドとして活用するこの取り組みは、単なるリサイクル実証にとどまらず、相馬市・南相馬市を拠点により広範な資源循環の社会実装モデルへと発展していく可能性がある。

【プレスリリース】サーキュラーエコノミーパートナーシップに加盟
【プレスリリース】【2026年4月28日】資源循環型社会を目指す サーキュラーエコノミーパートナーシップ締結式
【参照記事】一般廃棄物のリサイクル技術推進に関するサーキュラーエコノミーパートナーシップ締結のお知らせ
【参照記事】福島県相馬市における新たな「環境複合事業」が描く未来
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※冒頭の写真は東急建設株式会社のリリースより引用