英国サーキュラーエコノミー推進機関のエレン・マッカーサー財団のイニシアティブであるPlastics Pactのネットワークがこのほど、米国でも発足した。このU.S. Plastics Pactは世界自然保護基金(World Wildlife Fund)の協力のもと、NPOのリサイクリング・パートナーシップ(The Recycling Partnership)によって率いられる。米国の60以上のブランドや小売業者、行政機関、NGO、研究者などが署名しており、プラスチック包装の設計・使用・再利用の仕組み構築のための協力体制を整える。
Plastics Pactは、2016年に同財団が発足したNew Plastic Economyにおける国・地域単位のネットワークを構築するイニシアティブで、プラスチックのバリューチェーン全体に関わる多様なステークホルダーを束ね、2025年に向けた容器包装プラスチックの循環化を大きく推進することが目的だ。すでに英国やフランス、ポルトガル、オランダ、チリ、南アフリカで国別ネットワークが広がっており、プラスチック廃棄物への対応や専門知識の共有を行っている。U.S. Plastics Pactは、これら国別ネットワークやエレン・マッカーサー財団のGlobal Plastic Pactにも加わることになる。
U.S. Plastic Pactは同イニシアティブ発足にあたり、以下の4つの目標を掲げた。
- 2021年までに、問題のあるもしくは不要とされる全容器包装プラスチックのリストを作成する。そのうえで2025年までに、それらをなくすための対策を講じる。
- 2025年までに、全ての容器包装プラスチックを再利用可能、リサイクル可能、堆肥化可能にする。
- 2025年までに、容器包装プラスチックの50%をリサイクルまたは堆肥化するアクションを起こす。
- 2025年までに容器包装プラスチックの再生材または責任のある方法で調達された生物由来原料の平均配合率を30%にする。
各企業のプラスチックフットプリントは、世界自然保護基金のPlastic Footprint Trackerによって追跡され、上記の目標に対する年次成果報告が提出される予定だ。また、U.S. Plastics Pactは今後、目標達成に向けたステップを示すガイドを作成すると発表している。
【参照サイト】The US launches a national Plastics Pact, supported by all sectors
【参照サイト】US Plastic Pact
【参照サイト】PlasticPact
【参照サイト】New Plastic Economy
【参照記事】サーキュラーエコノミーは、システミック・チェンジ。英国エレン・マッカーサー財団