スターバックス コーヒー ジャパン株式会社は、使い捨てのカップ、リッド(蓋)、カトラリーの削減を目指す施策の拡大および新素材への切り替えを進めることを発表した。今年春より、順次施策を開始する。
これまでも同社は、コーヒー豆のかすのリサイクル、プラスチック製ストローの紙製への変更、アイスビバレッジ用カップのプラスチック製から紙製への変更、フードロス削減プログラムなどを実施してきたが、2030年の目標達成に向けてこれらの取り組みを加速させる。
今春から導入される4つの施策は以下のとおり。
1. カップ循環プログラムの実証実験エリア拡大
テイクアウト時に使用するカップを店舗で借り、返し、再利用することで使い捨てカップの削減を目指す。昨年秋より東京丸の内エリア10店舗で実証をしてきたが、4月4日より東京渋谷エリアの9店舗が追加される。同プログラムは、繰り返し使える耐久性のある貸出カップでドリンクを提供し、店舗に返却、パートナー企業での洗浄を経て再利用する仕組み。
2. アイスビバレッジの店内用グラス提供
アイスビバレッジを店内利用で注文する際、利用者に再利用可能な樹脂製グラスの利用を促す。国内106店舗で4月18日より開始。
3. アイスビバレッジのリッド(蓋)なし提供
アイスビバレッジを店内利用で注文する際、利用者に、ストローレスリッドなしでの利用を促す。国内113店舗で4月18日より開始し、夏頃には全国展開を予定している。
4. リユースカトラリーおよび100%植物由来素材のカトラリー提供
店内利用の場合は、ステンレス製のリユース可能なカトラリー提供を徹底し、テイクアウトの場合は、100%植物由来で、海水中で生分解する認証を取得しているGreen Planet®製カトラリーを導入する。この変更により、使い捨てカトラリーを年間最大約44%*削減し、年間約60トンの石油由来プラスチック削減につながることが予測されるという。いずれも3月中に全国のスターバックス店舗で開始される。
同社ではこれらの施策を推進するにあたり、店舗利用者と直に接するパートナー(従業員)に意義を理解し共感してもらうため、会社の掲げる目標をパートナーが「自分ごと化」できるよう、有志参加のラウンドテーブルや店長会でのセッション、パートナー教育プログラムへの組み込みなどを実施している。
スターバックスは、グローバルにおける目標として、「リソースポジティブカンパニー」(会社として地球から得た資源以上のものを還元する)を掲げている。そのマイルストーンである2030年までに、直接の事業運営とサプライチェーンにおける二酸化炭素排出量を50%削減すること、店舗や工場から出る廃棄物を50%削減すること、事業運営・コーヒーや商品の原材料・容器包装のサプライチェーンにおける水の使用を50%削減または還元することを目指す。
【プレスリリース】カップ、リッド、カトラリーなど使い捨て資材削減を目指す4つの施策を、2022年春に開始および拡大
【参考記事】スターバックス コーヒー ジャパン、容器のリユース実証実験を丸の内エリアで開始。新たなスタイル定着となるか?
*冒頭の画像の出典 : スターバックスコーヒージャパン株式会社